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男女フルとU24で9試合 注目の「日本代表月間」

サッカージャーナリスト 大住良之

3月、W杯予選のモンゴル戦で大迫勇(背番号15)はハットトリックを決めた=共同

これほど多くの「代表戦」が、国内で短期間に重なることがかつてあっただろうか。5月28日のミャンマー戦を皮切りに、東京オリンピックを目指す「U-24日本代表」と「なでしこジャパン(日本女子代表)」を含み、19日間で実に9試合もの「代表戦」が行われる。そのうち、男子の「日本代表」は2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会のアジア第2次予選の3試合を含む5試合をこなす。

昨年9月に予定されていた「国際試合期間(代表戦2試合を行うことができる)」が新型コロナウイルスの影響でキャンセルされ、国際サッカー連盟(FIFA)は、その分の試合ができるよう、ことし6月の「国際試合期間」を延長して計4試合分の日程を確保した。

さらに、ことし3月に予定されていたミャンマーとのW杯予選(日本のホーム)がミャンマーの国内情勢の混乱で延期になったものを、アジアサッカー連盟が「国際試合期間」前の5月28日と指定したことから、状況は複雑になった。6月の「国際試合期間」は5月31日から6月15日の16日間。Jリーグは5月29日と30日に試合日程を入れているので、28日のミャンマー戦に選手を出すことはできない。

日本代表とU-24日本代表を兼任する森保一監督にとって幸運だったのは、欧州では大半の国でシーズンが終了しており、海外組をミャンマー戦に起用できることだった。

コロナ禍で日本から欧州に渡航すると帰国後2週間の「自主待機」が必要だった昨年の10月と11月には「欧州組」だけで計4つの親善試合をこなした。そのチームには、日本代表で主力を務める選手たちのほかに、24歳以下の「オリンピック世代」の選手たち(1997年以降の生まれ)も多数含まれていた。

17年にオリンピックチームの監督に就任、その職のまま、18年にはW杯の日本代表コーチを経て日本代表監督に就任した森保監督は、19年には「ワンチーム・ツーカテゴリー」を標榜、日本代表とオリンピック代表をひとつのチームとして同じコンセプトで強化を進めていくことを明言した。

オリンピック年代の選手たちも、オリンピックで上位を目指すだけでなく、22年のW杯チームに直結させたいという狙いだった。その第1弾が、19年にブラジルで行われた南米選手権への出場である。

20年秋の両世代を交えた「欧州組だけ」の日本代表編成も、ごく自然の流れだった。もちろん、「国際試合期間」外のことし5月28日にワールドカップ予選が行われることを見越してのものではなかったが、「ワンチーム・ツーカテゴリー」の構想がなければ、途方に暮れていたかもしれない。

そして6月の「国際試合期間」にはいると、ミャンマー戦を戦った「欧州組」だけの日本代表はJリーグの選手を加え、2つのカテゴリーに分かれての活動となる。この時点で、オリンピックでの「オーバーエージ」になる予定のDF吉田麻也、DF酒井宏樹、MF遠藤航の3人は、日本代表を離れ、U-24代表にはいっての活動となる。

日本代表はW杯アジア2次予選の残り2試合(ミャンマー戦で勝てば、その時点でアジア2次予選の1位通過が決定)とともに、ジャマイカ、セルビアとの親善試合をこなす。6月11日に神戸で行われるセルビアとの試合は、日本代表としては18年W杯ロシア大会のベルギー戦以来の欧州勢との対戦。ドラガン・ストイコビッチ監督が率い、日本人の喜熨斗(きのし)勝史氏がコンディショニングコーチを務めるセルビア代表との試合は、大いに注目が集まる。

ミャンマーに勝てば、タジキスタン戦とキルギス戦は「消化試合」となるが、ジャマイカ、セルビアとの2試合を含め、9月にスタートするW杯アジア最終予選に向けてどれだけチームのコンセプトを浸透させられるかが重要なポイント。なかでも、吉田、酒井とともに冨安健洋(U-24日本代表)を欠く守備ラインで、誰が彼らの不在を感じさせないパフォーマンスや存在感を見せるか、楽しみに見たい。

しかしこの6月、日本代表以上に注目されるのがU-24代表だ。DF冨安、MF堂安律、MF久保建英といったすでに日本代表でも「常連」になっている欧州組の選手たちに、Jリーグで圧倒的な存在感を示しているMF田中碧、三笘薫、FW前田大然、FW林大地らが加わり、最強のメンバーがそろった。そしてそこに、オリンピックでの「オーバーエージ」の3人を加えたのだ。

3月に行われたアルゼンチンとの強化試合2連戦を1勝1敗で終えたU-24日本代表。最強のメンバーに、吉田ら経験豊かなオーバーエージの3人を加える=共同

過去のオリンピックで「オーバーエージ」を加えたことは何回もあったが、いずれも直前の合流だった。欧州のトップリーグでも高い評価を得ている3人が、このタイミングでオリンピック代表に加わって2試合をこなすことができるのは、大きなアドバンテージとなる。

オーバーエージの3人を含め、今回の2試合に選ばれたのは24人。だがオリンピックには18人しか登録できない。メンバー発表は6月中に予定されており、この2試合が最後の「選考試合」となる。ケガなどがなければオーバーエージの3人は決定だが、残りは今回の21人から15人に絞られることになる。

なでしこジャパンは、ウクライナ、メキシコとの親善試合。本番を見据えた「中2日」の日程で、男子U-24と同様、「最終選考」の舞台となる。

関西を中心に、北は札幌から西は福岡まで繰り広げられる9試合。オリンピックでの勝利だけでなく、秋からのW杯アジア最終予選にもつながる。

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