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栄誉と緊張の開幕マウンド、阪神・藤浪は波に乗れるか

初めて開幕投手を務めることになった阪神・藤浪=共同

プロ野球の2021年シーズンが始まる。初戦を託される開幕投手はうれしい栄誉だ。ただ、その緊張感はやってみないと分からないところがある。現役時代、2カード目の初戦に投げることが多かった私も、4回ほど開幕を務めている。当時を思い出すと、意気には感じても、楽しめるほどの余裕はなかった。

まず、開幕戦の登板を告げられた時点で気持ちが張ってくる。ヨーイドンでチームをいきなりつまずかせるわけにはいかない。少なくとも6~7回を投げ、先発の責任を果たさなければ。調整を含めてやることは特に変わらないが、キャンプやオープン戦の長い期間を、緊張感の中で過ごすことになる。

開幕戦で投げた時の疲労度は桁違い

前日に赤飯やタイを食べて景気づけし、いざマウンドに立ってもいつもの2倍は疲れた。力が抜けず、普段のようなメリハリをつけられない。攻守交代でベンチに戻ると「まだ3回か……」。とにかく時間が長かった。

昨年の阪神は西勇輝投手が6回1失点で降板した後、救援陣が逆転されて、そのまま巨人に3タテを食らってしまった。はた目には先発をもっと引っ張ればよかったのにと映るかもしれないが、それは酷というものだ。昨年は新型コロナウイルスの影響で開幕が3カ月も遅れた。先行き不透明な状況のなか、もともと開幕に投げることになっていた投手たちは延々と待たされた。心身の消耗度は例年以上だったと思う。

開幕投手を意識しすぎたか、西武戦に先発し初回3失点した阪神・藤浪。その後は落ち着いた=共同

さてその阪神だが、今年は西投手にぜんそくの症状が出たこともあり、藤浪晋太郎投手がプロ9年目で初めて大役を務めることになった。以前、臨時コーチとして指導した縁もあり、決まった時には本人からも報告のLINEが届いた。

直後の西武戦を見たが、やはり意識があったのだろう。明らかに力が入っていて、初回に3点を失った。ただ、その後の4回は無失点と立ち直り、オープン戦最終登板となった19日のオリックス戦も4回を1失点にまとめている。

楽天・田中将は15勝近くは計算できる

1勝に終わってしまった昨年は好投しても勝ち運に恵まれなかった。今年はその分のツキも回ってくるのだと思って、緊張感をプラスに変えてほしい。投手は勝ち星がつくことで調子が上がる。彼は大舞台に強い選手だし、力もある。いいスタートを切れれば、一気に乗っていく可能性もある。

今年のペナントレースを展望しておくと、パ・リーグは高いレベルで拮抗している。日本シリーズを4連覇しているソフトバンクの総合力はいうまでもないが、対抗馬の1番手には楽天を挙げたい。充実した先発陣がその理由だ。ヤンキースから戻ってきた田中将大投手は15勝近く計算できる。新人の早川隆久投手(早大)は左で150㌔を超え、制球力や多彩な変化球も備えている。2桁勝っても不思議はない。

巨人とのオープン戦で7回を投げ終え、グラブをたたいてベンチに戻る楽天・田中将=共同

どのチームにもチャンスがあるパに比べると、セは巨人、阪神、中日という昨年のAクラスとそれ以外のチームで差がついてしまっている。阪神は投手陣の安定感に加え、オープン戦で6本塁打を放った佐藤輝明選手(近大)が打線に加わり、楽しみな存在。広島は投手陣が整備されれば上位争いのチャンスが出てくる。(野球評論家)

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