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混沌のペナントレース 勝負の行方を握るキーマンたち

残り30試合を切ったプロ野球ペナントレースが混沌としている。現状はヤクルトとロッテが一歩リードしているが、主力ひとりの好不調や離脱によって状況は一変する。最後まで目の離せない展開になりそうだ。(記録は9月24日終了時点)

投打かみ合うヤクルト、目を引く奥川の成長

セ・リーグは2年連続最下位で今年も下馬評が低かったヤクルトが首位に躍り出た。中継ぎ投手の役割を明確にするなど、弱点だった投手陣を整備した高津臣吾監督、伊藤智仁投手コーチの功績は大きい。中でも目を引くのは2年目の奥川恭伸の成長だ。シーズン当初に比べると一皮どころか二皮むけた。全体的に低めに制球できるようになり、変化球も自信をもって投げている。最近は隙のない投球になってきた。

打線はホセ・オスナ、ドミンゴ・サンタナの加入で厚みが増した。新外国人が2人とも当たるというのは極めて珍しい。これだけ投打がかみ合えば、首位にいるのもうなずける。

首位を明け渡した阪神は勝ちパターンの中継ぎが足りないのが痛い。岩崎優、ロベルト・スアレスという最後の2枚は安定しているが、そこにつなぐもう一人が足りない。先発が七回まで投げてくれれば問題ないが、最近の先発は早めに降板するから、どうしても中盤が苦しくなる。打線は中心打者の好不調の波が激しく、1、2番が出塁しても生かし切れていない。

逆襲のキーマンには2軍から戻ってきたルーキーの佐藤輝明を挙げたい。42打席無安打が続いているが、彼が好調だった前半は相手バッテリーに重圧がかかり、前後の打者を含めていい流れができていた。中軸の奮起なくして逆転優勝はない。

巨人の3連覇は菅野、丸次第

リーグ3連覇を目指す巨人の苦戦は菅野智之、丸佳浩という投打の柱の不振に尽きる。若手投手は頑張っているが、大一番を任せるにはまだ心もとない。逆転優勝には菅野と丸の活躍が絶対条件。2人が大車輪の働きをすれば、可能性はまだある。

パ・リーグに目を向けるとロッテが予想外に健闘している。Aクラス争いはすると思っていたが、この時期の首位は予想外だった。5年目の佐々木千隼がリリーフで素晴らしい成績を収めているほか、4年目の安田尚憲、3年目の藤原恭大、2年目の佐々木朗希といったドラフト1位で獲得してきた面々が着実に力をつけ、チーム力を底上げしている。

自打球による骨折でレオネス・マーティンが離脱したのは痛い。チーム一のポイントゲッターがいなくなると対戦相手は一気に楽になる。選手層が厚い、薄いというが、強いチームと弱いチームを分けるのは、カギになる1~2人がいるかどうかだ。ただ、終盤戦で首位にいると勢いがつき、負けにくくなるのは確か。チーム一丸で主砲の穴をカバーしたい。

一方、ロッテを追うオリックスは離脱していた吉田正尚が戻ってくる。キーマンを挙げるなら前半戦の勢いに陰りがみえる2年目左腕の宮城大弥だろうか。吉田と宮城の活躍次第で、逆転の芽は十分にある。

3位楽天はビッグネームの先発陣が期待したほど機能せず、打線も好打者がそろうものの、破壊力には欠ける。首位との4ゲーム差は逆転可能な数字だが、決め手に欠けるのは否めない。

厳しい戦い続くソフトバンク

日本シリーズ5連覇を目指すソフトバンクは厳しい戦いが続いている。巨大戦力とはいっても、千賀滉大、リバン・モイネロ、森唯斗、ジュリスベル・グラシアルといった投打の主力に次々と離脱されては4位の現状もやむを得ない。この先はAクラス入りが現実的な目標になるだろう。

(野球評論家)

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