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少ない出場機会に悔しさ 「引退は欧州で」の覚悟

4月22日のアトレチコ・マドリード戦で競り合う岡崎㊨=AP

2020~2021年シーズンが終わった。ラ・リーガ2部から1部に昇格した僕の挑戦は25試合出場1ゴールという数字にとどまった。

開幕直後に負傷し復帰後、ポジションを失った立場からの再スタート。チームは下位に低迷し監督が代わる。パチェタ新監督はシンプルに前へ向かうスタイルでチームの立て直しを図った。

このスタイルでチームがうまく回るには、僕は相方のFWのサポート役になったほうがよいと考えた。実際、僕のアイデアは好循環をもたらしたが、やがてその役はMFが起用されるようになった。

FWとして結果を残す気持ちで挑んだ1部だったが、降格の瀬戸際のチームのためによかれと下した僕の決断は今、考えるとミスだった。監督が考える「勝つために戦う選手」の中に僕の居場所はなくなった。メンバーを固定して戦う監督の下で、厳しい数カ月を過ごした。

試合に出られない経験は何度もしているけれど、今回ほど可能性がない現実は初めてだった。どんなに頑張っても見てもらえないなか、モチベーションを維持するのは本当に難しい。空元気を出し、チームの輪から外れないように努めた。

4月22日アトレチコ・マドリード戦で約2カ月ぶりの先発。僕を含めて多くの選手が入れ替わったウエスカは首位相手に苦しい展開を強いられ、なかなかボールにも触れない。それでも、とても楽しかった。

5月22日最終節を引き分け、ウエスカの降格が決定する。僕も翌日クラブを去ることを発表した。

記録上では、岡崎はラ・リーガ1部で通用しなかったと言われるだろう。僕自身の手応えは違う。出場機会はわずかだったけれど、自信を得られた部分もある。ただ、それ以上に今は悔しさしかない。

欧州での挑戦を終えたら、Jリーグでプレーしたいと願っていた。その思いに変わりはない。でも今は、こちらで引退するくらいの考えもある。本当に欧州で認められるには「いつかはJリーグで」という気持ちを捨てる覚悟が必要だから。

この悔しさを晴らす日が来るかはわからないけれど、スペインやスペインと同列のイングランド、ドイツ、イタリアといったリーグでプレーを続け、結果を出さなければ、癒やすこともできないだろう。「欧州で認められる」というモチベーションがある限り、僕の挑戦地はまだヨーロッパなのだ。

下位のチームへ行けば行くほど、身体能力など目に見える能力が評価される。そして、自国の若い選手を起用したいという風潮もあるだろう。35歳の日本人FWが居場所を求めるのは困難であることは理解している。それでも、まだあきらめられない。

(ウエスカ所属)

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