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「データと感覚のバランスを」 異色経歴のDeNA新コーチ

横浜DeNAベイスターズ広報 丸形佳之

日経電子版読者の皆さん、はじめまして。今回よりコラムを執筆させていただく横浜DeNAベイスターズ広報・コミュニケーション部広報グループの丸形佳之です。私は2019年のオフシーズンに入社し、広報担当としてプレスリリースの配信、取材対応、球団SNSの運用など、様々な媒体を通してベイスターズのことを皆さんに知っていただけるよう日々仕事をしています。これから先、前回のコラムを執筆した小泉匡と2人で球団の事業やチームに関するトピックを発信していきますのでよろしくお願いします。

さて、ベイスターズでは22年シーズンの新たなコーチを次々と発表しています。斎藤隆コーチ、鈴木尚典コーチ、石井琢朗コーチは皆さんご存じの1998年優勝メンバー。そしてそんな豪華メンバーと時を同じくして、35歳の若さでコーチ陣に加わるのが小杉陽太コーチです。今回のコラムでは、小杉コーチに就任打診の裏側、自身の経験に基づくデータ活用や選手育成について存分に語ってもらいました。

小杉コーチは09年にドラフト5位でJR東日本から横浜ベイスターズ(当時)に入団、投手として活躍しました。17年の現役引退後は、会社を設立して起業家として活動する傍ら、現役時代に培ったデータ活用の知見をいかしてアマ野球の指導も行っていました。プロ野球のコーチとしてはあまりいないタイプの経歴の持ち主なんです。

小杉コーチ「自分がプロ野球のコーチになるとは夢にも思っていなかったので、球団からの打診は率直に驚きました。加えて連絡をいただいたタイミングにも驚きました。ある日『来年からスポーツに関わる仕事に携わっていきたい』という自分の思いを経営する会社のメンバーへ共有したんです。ただ、スポーツに携わるといっても、スポーツメーカーなのかチームに入ることなのか正直漠然としていた状況でした。ところがその日の夜にコーチ打診の連絡をもらったんです。不思議な縁を感じながらコーチ就任を引き受けさせていただきましたね」

現役時代からデータ室でモニター2画面を使って投球フォームを比較したり、米大リーグの「スタットキャスト」と呼ばれるデータ解析ツールでメジャーリーガーのデータを見たり。小杉コーチは当時から「野球×データ」への関心が高かったといいます。

小杉コーチ「私の現役時代は今ほど選手のパフォーマンスやコーチングに対して、データを活用するということは少なかった。『ラプソード』などの計測機器はまだ日本に上陸したてで、あまり広く知られていなかった時期なんです。私は当時の限られたツールを使って、状態の良い時と悪い時の投球フォームを映像で並べてラインを引いて比較したり、興味本位で米大リーグのデータを見てみたりするなどしていました」

「データ活用という視点で言うと、むしろ引退後の方が知見を得られたという実感があります。自前で計測機材を購入して自分の体で計測しながら各種動作を試してみましたし、解析に携わる様々な方と話もさせていただきました。データを活用してアマチュア選手を指導する機会もあり、インプットとアウトプットを通じてデータへの理解が深まりました」

小杉コーチは11月14日から17日の秋季トレーニング第3クールで神奈川・横須賀にあるファーム施設「DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA」を訪れ、チーム関係者へのあいさつや選手たちのトレーニング模様を視察しました。約4年ぶりに戻ってきたチームの印象や、98年優勝メンバーに囲まれて35歳という若さでコーチを務める心境は。

小杉コーチ「4年ぶりということで、ベイスターズは人も環境も変わりました。視察では選手・スタッフの顔と名前を覚えることから始め、チームが目指す育成方針や現状の課題などの情報を重点的にキャッチアップしました。年齢の近い選手やコーチ就任が決まった時にLINEで連絡をくれた選手がいる一方、初対面の選手も多くいます。色々な選手とコミュニケーションを取ることを心掛けましたが、みんなフレンドリーに接してくれました。データの活用という意味では、設備面が非常に充実しているだけでなく、選手たちへの情報共有もしっかりとされていました。選手自身もアンテナを張っている印象で、私が現役だった頃との変化を感じました」

「現場でやり取りする際に緊張することはあまりありませんが、斎藤コーチをはじめとする98年優勝メンバーは自分が幼少期に見ていた選手です。俯瞰(ふかん)してみると『憧れの方が近くにいる』と思うことはありますね。豪華なコーチ陣と一緒に仕事をすることになりますが、三浦大輔監督からは『気を使うことなく、どんどん自分の意見を発信していってほしい』という言葉をもらいました。私は現役時代、感覚だけを頼りにして不調の原因が分からず迷ったこともありました。こうした自分自身の経験を踏まえて、『当時やっておけばよかったな』と思うことを伝え、データと感覚のバランスをうまく活用して選手たちに選択肢を与えていきたいと思います」

小杉コーチの言葉で印象的だったのが「データと感覚のバランス」です。個々の技術にデータが掛け合わされることによって、選手やチームにどのような変化が表れていくのか。プロ野球選手としての経験とデータへの知見を併せ持つ小杉コーチの挑戦にどうぞご期待ください!

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プレーボールの舞台裏

横浜DeNAベイスターズの広報がプロ野球の裏方として日々奮闘する人たちにスポットライトを当てるコラム「プレーボールの舞台裏」です。

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