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堂安律、千金の同点弾 「俺が決める、俺しかいない」

後半の半ば、田中碧(デュッセルドルフ)に替わってピッチに足を踏み入れた堂安律(フライブルク)の気持ちはこの上なく高まっていた。「俺が決めるっていう気持ちで入った。俺しかいないと思っていた」。自らの左足で同点、そして逆転へとチームを導くと心に固く決めていた。

その時が来たのは交代出場から僅か4分後だった。75分、左サイドを三笘薫(ブライトン)がドリブルで駆け上がると、それに呼応するように右サイドにいた堂安がゴール前へとポジションを絞っていく。

三笘のスルーパスを受けた南野拓実(モナコ)の折り返しは世界屈指のGKノイアーの長い左手ではじき返されたが、ボールがこぼれた先にいたのが堂安だった。冷静に左足を振り抜き、難攻不落と思われたドイツゴールをついにこじ開けた。

試合前、森保一監督は選手に「チームの総合力、そして総力戦で戦おう」と説いていた。値千金の同点ゴールを演出した三笘、南野、そして堂安はいずれも途中出場の選手。最後に決めたのは堂安だったが、3人が3人とも「俺しかいない」という気持ちだったはず。指揮官によって与えられた立場で、それぞれの長所が存分に生かされた1点だった。

堂安はガンバ大阪からオランダ、ドイツと渡り歩き、今季はブンデスリーガで現在2位につけるフライブルクの一員として戦う日々だ。ドイツ戦当日はスタジアムに到着すると南野らと談笑しながら芝生の感触を確認。自身のワールドカップ(W杯)デビュー戦、そして優勝4回を誇る強豪との決戦直前でも顔のこわばりは一切なかった。〝普段着〟のサッカーをすれば対等にやり合えるという自信が透けて見えた。

試合後の堂安は「僕が日本サッカーを盛り上げるという気持ちでピッチに立っている。ぜひ期待してほしい」と力を込めた。これを大言壮語と笑うものは今の日本代表26人の中に誰一人としていないだろう。

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2022サッカーワールドカップ (W杯) カタール大会に出場する日本代表のニュースやコラム。大会日程は11月20日に開幕、決勝は12月18日。選手たちの活躍の様子や試合の結果、分析などをお届けします。

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