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南野拓実ら控え組の反骨心がドイツ撃破 サッカーW杯

ワールドカップ(W杯)通算22試合目にして逆転勝ちを収めるのが初めてなら、過去の優勝国を破るのも初。日本に記念すべき白星をもたらした2つのゴールは、途中出場の選手たちによって生み出された。置かれた境遇に悩みながらも、いつか力を示せるときが来ると信じて準備を怠らなかった反骨心が、ドイツ撃破という大番狂わせの原動力となった。

「ここで俺たちが何かを示すんだという強い気持ちを全員が持っているんで。1試合目でそれを示せてよかった」。控えも含めたチームの総合力を語るのは南野だ。途中出場からわずか数十秒後、裏のスペースへ走って三笘の縦パスを引き出し、ダイレクトで放ったシュートのこぼれ球が堂安の同点ゴールにつながった。

交代枠が5人に増えて戦術的な入れ替えがしやすくなった現行ルールでは、得点のための切り札を途中投入するのは当たり前で、「スーパーサブ」という言葉さえ死語に近い。先発組とベンチ組に必ずしも上下関係があるわけではないが、今夏に移籍したモナコでも代表でも結果が出ず、序列が下がった現状に「背番号10」が満足できるはずがない。

「もちろん悔しい気持ちはある。選手としては常に最初から出て、チームのために貢献したい」という本音をグッと胸にしまい、しっかりとゴールに絡んだ。「こういうビッグマッチで、どういう準備をしている選手が試合を決めるのかはわかっているつもり」。世界最高峰クラブのリバプールで経験を積んだ自負をちらりとのぞかせた。

「やっぱりみんなの気持ちが強い分、そういうものがボールには乗っかるのかな」。浅野は逆転ゴールについて、決してコースを狙って打ったわけではないと打ち明ける。とはいえ相手DFと競り合いながら、名手ノイアーの肩の上を射抜いたシュートは見事。「きょうの試合だけに関してはヒーローになれたかな」

堂々と功を誇ってもいいのに、わざわざ〝この日限定〟というのは周囲の評価が念頭にあるからだ。所属先でゴールを量産しているわけではなく、今年9月には右膝に大けがを負って大会直前までリハビリ生活。代表入りを疑問視する見方もあった。

「この4年間、いろんな声を耳にしたし目にした」という中、「信じてくれた人のために僕は準備をしてきた」。その一人が森保監督だろう。J1広島時代からの師弟関係で、当時も後半途中からピッチに送り出して多くのゴールを奪ってきた。

その指揮官への恩返しであるとともに、代表チームそのものが受けていた低評価を一気に覆すゴールであり、金星。これ以上ないカタルシスがそこにあった。

(ドーハ=本池英人)

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