遠藤航、鬼気迫る守備 「この試合に懸けていた」

日本の誇る中盤のボールハンターは、脳振盪(しんとう)から復帰したてのハンディにも、ドイツの猛攻にも屈しなかった。一時は出場さえ危ぶまれていたボランチ遠藤が、ブランクを感じさせずにフル出場。「なぜこの4年間を過ごしてきたか、(ドイツ1部リーグの)ブンデスでやってきたことを証明できた」と胸を張る。
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4年前はワールドカップ(W杯)メンバーに選ばれはしたが、ピッチに立つことはなかった。その現実を変えるために欧州に渡り、本場のプレー強度を自分のものとした。「大事なのは、キミヒやゴレツカなどドイツ代表と自分が(日常的に)戦える状況にいられたこと。4年間の準備期間がすべてここにつながっている」。戦前の言葉通り、とりわけ後半のボールを刈り取る守備には鬼気迫るものがあった。
8日の試合で脳振盪に見舞われた直後は、もうW杯はだめかもと思いかけたという。「本当にこの試合に懸けていた。最初のW杯の試合というのもあるし、対ドイツというところでも。後のことは考えなかった」。よほどのことでは落ち着きを失わない鉄人も、相当な思いを秘めた90分間だったのだろう。
(ドーハ=岸名章友)

2022サッカーワールドカップ (W杯) カタール大会に出場する日本代表のニュースやコラム。大会日程は11月20日に開幕、決勝は12月18日。選手たちの活躍の様子や試合の結果、分析などをお届けします。