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球団運営のリーダー、裏方束ね「選手とも近い関係で」

横浜DeNAベイスターズ チーム付広報 渡辺雅弘

プロ野球のチームは試合に直接関わる選手、監督、コーチの他にも数多くのスタッフを帯同しています。練習のサポート、相手チームの分析、移動の手配――。仕事内容が多岐にわたるスタッフを束ねているのが1軍運営グループ・グループリーダーの西崎伸洋です。今回は西崎に仕事の心得、そして裏方から見た2021年シーズンの横浜DeNAベイスターズを語ってもらいました。

西崎は1982年生まれの39歳。2001年にドラフト6位で当時の横浜ベイスターズに入団しました。当初は捕手でしたが、途中で外野手に転向。08年に引退し、翌年からチームのスタッフに加わりました。チームには選手とスタッフがいるわけですが、選手からすればスタッフは「球団側の人間」です。西崎は両者の微妙な距離感をどう埋めるか腐心してきました。

西崎「1軍のサブマネジャーから始まり、ファーム(2軍)マネジャー、チームデスク、1軍マネジャーなどを務めてきました。自分の現役時代を振り返ってみると、スタッフの方から何となく『圧』のようなものを感じることもありました。一方で自分が野球を辞めることを考えたときにはマネジャーの声がけに勇気づけられたこともあって。なので自分が引退してスタッフの側に回ることになった際には『常に選手と近い関係でいよう』と決めました。一番大切なのは言いたいことが言えること。実現するかどうかは別として、選手が要望などを『とりあえず言ってみるか』と思ってもらえる存在でありたいですね」

「スタッフ1年目から今日まで、毎日欠かさずブログを更新しています。球団の有料のファンサイトに掲載されているものなのですが、これも選手とのコミュニケーションを深めるツールの一つになっています。シーズンオフは話題に困るのですが、ジョー(高城俊人選手)やヤス(山崎康晃選手)に小さなネタを送ってもらうなどしています。最初の頃は選手にブログへの写真掲載の許可をもらっていましたが、長く続けるうちに面倒に。今では選手から『どうせブログに載せるんでしょ』という暗黙の了解をもらっています」

21年シーズンのベイスターズは三浦大輔監督が就任しました。前年から引き続き新型コロナウイルスとも向き合うことになったシーズンを西崎に振り返ってもらいました。

西崎「三浦監督も就任会見で話していましたが、1軍とファームの連携はチームにとってとても重要です。能力ある選手がそろっていても、密なコミュニケーションがなければチームは強くなっていかないですから。21年シーズンは今までにも増して1軍とファームの間で首脳陣のコミュニケーションが活発だったと思います。コロナ禍ということもあり、オンライン会議システム『Zoom(ズーム)』などを活用していました」

「印象的だった選手はやはりルーキーの牧秀悟選手ですね。一言で表現すれば、すごくいい人。先輩、外国人選手、我々スタッフとみんなから好かれる好青年ですし、立ち振る舞いはチームに何年もいるかのように落ち着いています。ルーキーが活躍すれば周りの選手は『負けていられない』とモチベーションが上がります。それがチーム内の競争につながるという点でも、21年シーズンの牧選手の存在は大きかった」

「キャプテンとして2年目を迎えた佐野恵太選手は落ち着きが増しましたね。米大リーグに移籍した筒香嘉智選手の後任ということで最初はすごいプレッシャーだったと思うんです。それでも成績を残すことによって発信力や存在感が高まっていった。チームの調子がなかなか上向かないときには『全体ミーティングをやりたいんですけど』といった相談を受けました。持ち前のユーモアを隠している部分はありますが、周囲を笑顔にするキャプテンですね」

実は私自身も01年入団で、西崎とは同期なんです。さらに同じ01年組では吉見祐治スカウトと稲嶺茂夫スカウトも球団で働いています。選手からスタッフに転身し、それぞれの仕事内容は違いますが、チームの力になることへの思いは同じです。

西崎「選手がベストパフォーマンスを発揮してくれる環境を整えるのが私たちの仕事です。チーム名が横浜DeNAベイスターズに変わってから約10年が経過しますが、IT(情報技術)の活用が進み、挑戦する風土がチーム内にも浸透しています。組織内の風通しも間違いなく良くなりました」

「私は20年からグループリーダーとして十数人を束ねる立場にもなりました。成長が求められるのは選手もスタッフも同じです。例えばチームには打撃投手がいますが、打撃投手をやっているだけでは年齢を重ねるとチームを離れることになってしまいます。そこでベイスターズでは、用具担当やマネジャーといった業務を兼務します。さらにITスキルやコミュニケーション能力を高めるための研修も実施しています。これらは選手のパフォーマンスには直結しないかもしれませんが、それぞれのスタッフが楽しく充実した仕事のできる環境を整えることは、回り回ってチームの結果につながっていくと思っています」

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