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勝つための新たな自分 揺らがずに、駒に徹する

21日のグラナダ戦で攻め込む岡崎(右)=共同

ストライカーとして勝負したいと願い、スペインへやってきた。1部昇格を果たせたものの、20試合に出場し1得点(第24節終了時)。ある意味、ストライカーとしての野心は砕け散ったんだと思う。監督が代わり、新しいサッカー、新しい役割の中で、新たな自分を知りたい思いが今は強い。勝つためにはどうすべきか、ということを。

新監督就任以降、僕は4試合続けて先発出場した。その間、1勝1分け2敗。レアル・マドリード、セビージャという上位との連戦ではシュートチャンスすらなく、いつものように60分すぎに交代した。「インパクトを残せなかった」と試合翌日の新聞で評されても、僕は走ること、守備をすることで、失点を抑えているという自負を持っている。

ショートパス重視からロングボール主体に変わり、上下運動の激しいサッカーにチームがまだフィットしていない。走った僕がつくったスペースを味方が生かすところまでに至らず、パスの精度にも課題はある。「レスターだったら」とかつてのチームメートのことを考えてしまうが、すぐに打ち消す。それは言い訳にしかならないから。

「自分の立場、現状を変えたい」「誰かに認めさせたい」

そう逆境にあらがうことで僕は成長してきた。だけど今はあらがうよりもすべてを受け入れよう、今までやってきたことを認めようと思っている。

「走れなくなったら終わる」というのは、ただの走力のことではない。効果的に走れるかということ。そのためにはあれこれ迷っている場合でも、「ストライカーとして」なんてことを言っている場合でもない。今は自分の役割を理解し、そこにすべてを懸ける。それが30代半ばの僕が欧州で生き残るすべだから。

何をすべきかを瞬時に判断し、選択し、実行し、役割を果たすことに注力したい。僕のプレーだけでチームを劇的に変え、勝利をもたらせるとは思っていない。だから駒に徹する。

身体能力で劣る日本人が欧州で生き抜くにはチームを俯瞰(ふかん)し、勝つためには何をすべきかを考え、実行し、勝利へ導く仕事をすることだ。その考えを面倒だなと思うことはあるけれど、エゴを捨ててそんなふうに考えられる日本人は、だから武器になる。それは長谷部誠(フランクフルト)を見ていればわかる。ハセさんが試合に出るようになってチームは勝利を重ねている。

もちろんゴールも大事だ。FWは得点という結果にあおられるポジションであることは間違いない。けれど、選手の評価はチームを勝たせられるかだと思う。悔しさや腹立ちは年齢に関係なく熱く腹の中にあるが、今は淡々と揺れずに強くありたい。

(ウエスカ所属)

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