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歴史変えた立役者 バスケットボール・馬瓜エブリン㊤

Wリーグファイナルではスピードとフィジカルの強さを武器に得点とリバウンドを量産した=Wリーグ提供

女子バスケットボール界の歴史に新たな一ページを刻んだ3月21日、馬瓜エブリン(トヨタ自動車)はコート上のインタビューでマイクを握るや、思いの丈を会場中に響かせた。「皆さん、お待たせしました。ようやく歴史を変えました」

11連覇中のENEOSに挑んだWリーグファイナルで2連勝して初優勝。2試合で計29得点、24リバウンドと躍動したエースは「あのフレーズだけはずっと言いたくて、1年間秘めていた」と打ち明ける。打倒ENEOSは自らの弱さと正面から向き合い、乗り越える戦いでもあったからだ。

Wリーグで7季を過ごした25歳。身長180㌢で両腕を広げた長さが平均より長い186㌢という体格やスピードが持ち味だ。1試合平均約15点を挙げる攻撃的な選手だが、30点取ったと思えば次戦は1桁に終わることもざら。「試合の前半でリズムが悪いと気持ちが落ちるなど、波が激しい」と自覚する通り、これまでは大一番でなかなか結果を残せずにいた。

「監督からすると使いづらい、信頼しづらい」。そんなイメージを払拭しようと一念発起。全体練習前に毎日コーチとシュート技術の向上に取り組み手応えをつかむと、試合前夜は散歩やスマートフォン断ちで集中力を高めた。安定感追求のため、できることはなんでもやった。

心身の成長は粘り強さが不可欠なリバウンドのタイトル獲得につながり、コート上での余裕も生んだ。「チームの流れが悪いと思ったときにボールをもらい、スイッチを入れることもできた」。地道な努力でつかんだ確固たる自信は、先勝して迎えた勝負のファイナル第2戦で結実する。

前半は無得点に抑えられながら、接戦だった第3クオーター序盤に迷わず放った3点シュートが成功。「リーグを通して安定したプレーができていた。シュートが落ち続けても大事なときに1本決められるはず。最後は自分を信じた」との思いが数分後にさらなるビッグプレーを呼び込む。

ゴールほぼ正面から左手のドリブルで突っ込むと、持ち味の体幹の強さを発揮して鋭く逆方向にターン。ファウルを受けながらシュートも決める「バスケットカウント」で優勝への流れを大きく引き寄せた。

ファイナルのENEOSは渡嘉敷来夢ら主力が故障で不在だった。チャンピオンの価値が目減りすることはもちろんないが、「(フルメンバーの相手に)次は勝ちたい。バチバチな良い試合ができると思うから、多くの人にWリーグが面白いと言ってもらいたい」。勝負弱さと決別した点取り屋は、盟主交代へ意欲十分だ。=敬称略

(鱸正人)

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