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ペレナラ「ここ一番」で光る NZ代表、ドコモを導く

今季のトップリーグにきら星のように集ったスターの中でペレナラ(中央)はとびきりの輝きを放つ=共同

1人で試合を決めることが難しいラグビーで、勝敗を左右する大仕事をやってのける。しかも何試合も連続で。NTTドコモに加入したニュージーランド(NZ)代表のTJ・ペレナラ。今季のトップリーグにきら星のように集ったスターの中でとびきりの輝きを放っている。

3月のリコー戦が鮮烈だった。ボールを持つと巨漢を体当たりで吹き飛ばす。防御ラインから絶妙の頃合いで飛び出しパスカット。ピンチを救うジャッカルまで決める。本業のゲームメークや配球は言うに及ばず。さながらラグビーのプレーの〝フルコース〟だった。184㌢の長身や俊足、司令塔のSOもこなす万能性があるとはいえ、専門職のSHとは思えぬ働き。

圧巻は同点で迎えたラストプレー。自陣から南アフリカ代表のマカゾレ・マピンピに2人飛ばしのパスを送る。防御ラインを破った味方から返球を受けて50㍍を走り、サヨナラトライを決めた。

「ファンのように口をぽかんと開けて見てしまった。ここまでやるとは想定外」。下沖正博ゼネラルマネジャーも驚くペレナラの活躍に引っ張られ、昇格2年目のドコモは快進撃を続ける。10日には王者神戸製鋼と対戦。2トライを防ぐペレナラのタックルもあり、終盤までリードを保つ。最後に逆転されたが、昨季0-97で敗れた相手に堂々と戦った。カンファレンスでは神戸などに次ぐ3位。25日初戦のプレーオフで過去最高11位の大幅な更新を狙う。

NZ代表69キャップの大物は社会問題の解決にも熱心で、食糧難への警鐘を促すため菜食主義者に転じた。謙虚な人柄でも知られる。母国にいるときは観客数百人の地元クラブの試合に顔を出し、給水係をして運営を支える。

活躍の理由を問われてもチームの準備や周囲の支えに帰することが多い。ただ、NZでも試合前の儀式「ハカ」を先導するリーダーの信条が「自分のやるべきことをやる」だという。「自分のことを棚に上げて話すのは嫌。人に何か言える状態をつくってから話す」。努力の一端を下沖さんが明かす。「日曜に試合があっても翌朝6時台にクラブハウスに来て疲労回復のメニューをしている」

試合中に注力するのが主審との意思疎通。「戦っている時は感情的になりやすい。納得できない主審の判断があるとまず深呼吸で気持ちを抑える。その後でもおかしいと思ったら怒鳴らず会話するようにしている」。両手を挙げて反則をアピールしたかと思えば、友人のように笑顔で語りかける。その成果なのか、ペレナラの身ぶりに導かれて笛が鳴ったように見えるシーンがある。それでも「まだ足りない。主審と日本語で話せるようになりたい。外国人選手が日本に来て当たり前のように英語を話すのは変だと思う」。既に簡単な会話ならこなせる語学力に磨きを掛けると話す。

「ドコモと契約を延長するか(NZに戻り)代表を目指すのか決断できていない」。29歳の来季の去就は分からない。ただ「日本でボールを持つ機会が増え、攻撃面で向上した」とも語る。「目標は選手として人として、日々成長すること。それをできるだけ長く続けること」。その「成長」の軌跡を今、日本で目の当たりにすることができる。

(谷口誠)

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