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ブルージェイズ菊池雄星、中継ぎを復活のチャンスに

スポーツライター 杉浦大介

「やることは中継ぎだろうが先発だろうが変わらない。いつでもいける準備をして、(登板が)5日にいっぺんなのか、毎日なのかの違いだけ。あまりモチベーション的にも変わらないですね。任せられたところで結果を出して、先発でチームに貢献できなかった分、ここから頑張るというだけです」

メジャー91戦目で初の中継ぎスタート

悔しさを押し殺しながら、中継ぎでの役割に前向きな言葉を残す姿が印象的だった。ブルージェイズの左腕・菊池雄星が18日、敵地ニューヨークでのヤンキース戦で八回から登板。2人の走者を出したものの、2三振を奪って無失点に抑えた。

メジャー91戦目にして初の救援マウンドに、登板直前は「心臓がばくばくした」。それでも「ランナーが出てからはしっかりとゾーン内で勝負できた」と試合後は安堵の表情だった。

ハイレベルなア・リーグのプレーオフ争いのまっただ中にあるブルージェイズで、今後の菊池はブルペンから貢献のすべを探ることになる。主な役割は左打者対策か、先発が早めに崩れた場合のロングリリーフか。

先発の一角と期待されて昨オフ、上位進出を目指すチームと3年3600万ドル契約を結んだばかりだった。それが20戦の先発機会で4勝7敗、防御率5.25と不振。15日のオリオールズ戦後にブルペン行きとなったことは、もちろん不本意な"配置転換"だったに違いない。

「先発で求められてこのチームに来たわけですから、そこの期待に、そこのポジションで1年間通せなかったというのには悔しさもあります。中継ぎの左ピッチャーの戦力として必要だからということは言ってもらえたので、とにかくその気持ちに応えたい」。18日の試合前、総じてポジティブな言葉が多かった菊池だが、こう本音をこぼすシーンもあった。

左腕が足りないブルージェイズブルペン

ただ、「戦力として必要とされている」という部分は嘘ではないはずだ。現在、ワイルドカード出場圏内につけるブルージェイズは、ブルペンに左腕が不足気味。97マイル(約156キロ)の速球で狙って三振を取れる菊池は魅力的だ。

準備時間の少ないリリーフでの仕事にうまく適応できればチームにとって大きい。まずは初登板時のように重圧の少ない出番が多そうだが、いずれ重要な場面を任されるはず。先発投手としての調整のためにマイナー降格も辞さないという意思を持った菊池を、首脳陣が引き留めたのは、速球派左腕は終盤イニングの武器になると期待したからだろう。

「(話し合いの場には)監督、コーチ、ゼネラルマネジャー(GM)もいました。短いイニングを全力でいくことで、何かつかめる選手も多い。そこで何かをつかむか、あるいは緊急事態があれば、(首脳陣には)先発として使いたいという思いもある。今までしなかった経験をすることで、プラスになるんじゃないかと。今年だけじゃなくて来年以降も含めての措置ということだったので、そうだなと思いました」

厳しい立場に追い込まれた菊池だが、ブルージェイズでのキャリアはまだ始まったばかり。心機一転、昨季はオールスターにも選ばれた力を発揮できるか。それができれば、今季中にブルペンで立場を確立するだけでなく、まだ契約が残る来季以降、先発ローテーションに復帰する可能性も膨らんでいく。 

ブルペンへの配置転換はまた新たなスタート――。苦境下でも前向きな姿勢を失わない好漢がどんな形で浮上するかに期待をしたい。

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