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八村、軌道乗り出した2季目 チームと反転攻勢へ

スポーツライター 杉浦大介

 ナゲッツ戦でダンクシュートを狙う八村=NBAE提供・ゲッティ共同

米プロバスケットボールNBAでの2年目を迎えた八村塁(23)が、ようやくリズムをつかみ始めている。

2月20日のポートランド・トレイルブレーザーズ戦まで7試合連続で二桁得点をマーク。所属するワシントン・ウィザーズも20日まで、八村が入団して以降では初めてとなる4連勝を遂げた。普段は冗舌とは言えない八村だが、ついに手応えをつかんだのか、18日のリモート会見に登場した際の口調は滑らかだった。

「(チームの雰囲気は)いい感じです。僕らは相手に負けるより、自分たちから負ける(崩れる)ことが多かった。もともとチームとしての力はあって、それをどう出せるかが問題だった。それがこの3試合出てきたということは、いいチームになれるということ。今後もそれを意識してやっていきたい」

 オンラインで取材に応じるウィザーズの八村=共同

故障、コロナに苦しんできたNBAでのキャリア

NBAに入って以降、八村は波瀾(はらん)万丈の日々を過ごし続けてきた印象がある。2019年12月には鼠蹊(そけい)部を負傷し、24試合を欠場。その後、新型コロナウイルスの感染拡大によって昨年3月にはNBAのシーズン全体が中断し、7月以降はフロリダ州オーランドで外部との接触を遮断した「バブル」と呼ばれる特殊な環境でのプレーも経験した。

試練の時間は今季も続き、結膜炎を患って開幕は欠場。さらに1月11日以降はNBAが定める安全衛生プロトコルに抵触したためにまたも離脱を余儀なくされ、チーム内にクラスターが発生したウィザーズもしばらく試合が行えなかった。こんな状況では、1月24日にシーズン再開後もチームにはなかなかケミストリーが生まれず、シーズン開幕からの最初の15戦中12敗と出遅れたのは仕方あるまい。八村も安全衛生プロトコルから復帰した直後は、「フィジカル的にもメンタル的にもシーズンの状態を保つのがすごく大変だった」と正直な思いを吐露していた。

もちろんパンデミックによる不自由を味わっているのは八村だけではないが、プロになったばかりの若者にとって適応が容易ではなかったのは事実だろう。

コートに立てば安定したプレーを維持

ただ、そんな中でも心強いのは、昨季から継続して様々な試練に直面しながらも、コートに立てば八村は安定した成績を残し続けていることだ。今季も20戦にスタメン出場し、平均29.6分で13.4得点、5.5リバウンド、1.9アシストをマーク。昨季とほぼ同等の数字だが、今季は様々な制約のためになかなか練習時間を確保できず、しかも複数の離脱を余儀なくされる厳しいコンディションの中でそれをやり遂げてきたことに意味はある。

「2月はスケジュールもすごいタイト。その中で試合もやりながら自分のこれからのバスケキャリアにつながる練習をしたりとか、ウエートリフティング(トレーニング)もしています。そういうところがどれだけ大事かも僕はわかっているので、それは忘れずにやっていきたいと思います」

本人のそんな言葉を聞く限り、ルーティンをつくるのが難しいパンデミック下のシーズンの中でも少しずつ適応を進めることができているようだ。

主軸選手らとの連係もスムーズに

実際に最近は試合ごとに動きが良くなり、課題の一つとされたディフェンス面の貢献も増えてきた。また、チームの軸であるブラッドリー・ビール、ラッセル・ウェストブルックとの呼吸も少しずつ合ってきている印象がある。このようにチーム、八村個人の状況は少しずつ改善しているのであれば、今後への期待は膨らむ。

コートに立てばコンスタントに数字を残し続ける八村(左)。課題だったディフェンスでの貢献も増えてきている=AP

「NBAでトップのチーム、選手たちと対戦できるのが楽しみ。僕らも良い流れできているので、その流れに乗ってそのままやっていきたいなと思います」

現在、ウィザーズは強豪チームとばかりと対戦するアウェー4連戦の真っただ中だが、八村の表情は明るい。チームはイースタン・カンファレンスの15チーム中13位だが、シーズンはまだ2/3を残しており、10位以内のチームが出場できるプレーイン・ゲームへの進出も不可能ではない。そんな目標に向けて、これから先にペースを上げていけるか。ようやくコンディションを取り戻した八村とウィザーズにとって、今後しばらくが大切な季節になっていきそうだ。

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