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なでしこ、ドロー発進 岩渕のゴールで追い付く

(更新)
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後半、同点ゴールを決める岩渕㊥

国内では1964年以来2度目の夏季開催となる東京五輪は21日、23日の開会式に先立って競技がスタートし、札幌市の札幌ドームで行われたサッカー女子1次リーグで日本はカナダと1-1で引き分けた。前半、カナダのシンクレアに先制ゴールを決められたが、84分に岩渕真奈(アーセナル)のゴールで追い付いた。日本は前回リオデジャネイロ五輪の出場を逃しており、銀メダルを獲得した2012年ロンドン五輪以来の出場となる。

福島市の福島あづま球場では、午前9時からソフトボール1次リーグで日本がオーストラリアと対戦し、8-1で五回コールド勝ちした。日本は前回競技が実施された08年北京五輪以来、13年ぶりの金メダルを目指す。東京五輪では出場6カ国が総当たりの1次リーグを実施。1次リーグの1位と2位が決勝戦、3位と4位が3位決定戦に進出する。

サッカー女子―終盤、岩渕の一撃が日本救う

2大会ぶりに戻ってきた五輪の舞台。いきなり反発力を試された「なでしこ」は、なんとか84分に追いついた。

出合い頭の怖さというべきか。まともに食らった最初の左からの攻撃に対して、クロスへの寄せも中の対応もどちらも甘くなった。カナダのレジェンドストライカー、FWシンクレアに合わせられ、1度はポストに救われたもののもう一回打ち込まれた。

後半、同点ゴールを決め喜ぶ岩渕㊨

日本がとりわけ悪かったわけでもない。少しずつボールを持つ時間帯をつくる。右MF塩越を足がかりに、右回りで攻撃をしかける。が、カナダの固いブロックの外縁を巡回はできても、その内側へボールや人を入り込ませることができなかった。

48分、ゴール前へのパスに応じて抜け出したFW田中が相手GKと交錯。これがビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の裁定によって日本にPKがもたらされる。しかし田中のキックは阻まれた。

なかなか反撃のエンジンがかかりきらない。ボールを回収すべく人数をかけて囲い込むのに、奪いきれない。出口の消えかけていくそんなトンネルが、自陣からカナダのDFの背後へと放り込まれた1本のロングパスから開けることになる。駆けつけた岩渕がすぐさま蹴り込んだ一撃が、日本を救った。

「失点し、重い感じになって前半はリズムをつくれなかった。人の距離感を修正し、後半はだいぶ自分たちの時間が増えた。勝ち点1をプラスにとらえて、次へ進みたい」と高倉監督が一息をつく。これも初戦の、五輪の難しさか。

(岸名章友)

試合終了後、健闘をたたえ合う日本とカナダの選手たち

ソフトボール―上野の力投に打線が長打で応える

ソフトボールの五輪復帰を飾る日本の初陣。宇津木麗華監督は開幕投手を上野に託した。長く日本をけん引してきたエース。これほどふさわしい舞台はない。

どれだけ経験を積んだ投手でも立ち上がりは難しい。初回の先頭打者に内野安打を許し、1死後に3連続四死球で先制点を許した。外角への誘い球は微妙に外れ、内角に厳しく突いた球を打者にぶつけた。動きが硬いというより、狙いにいきすぎた印象で、上野は「立ち上がりは丁寧に行き過ぎた。もっと大胆に行っても大丈夫だったのに」と反省しきり。だが、表情にも余裕があり、後続を断った。

3回、勝ち越しの2点本塁打を放ち、上野㊨に迎えられる内藤

「二回以降は切り替えられた」と、その後はさすがの安定感。直球で追い込んだ後のチェンジアップが有効で、打者はタイミングが合わずバットが空を切る。炎天下の試合は判断や動きを鈍らせる可能性もあったが冷静にアウトを重ね、五回途中で後藤にマウンドを譲った。

上野の力投に打線も呼応した。失点直後に同点に追いつき、三回には3番内藤が中堅へ勝ち越し2ラン。中軸の一発はチームを元気づけ、四回にも藤田が高々と左翼へ運び、最後は4番山本がコールド勝ちを決める2ランで締めた。

「バックのみんながすぐに追いついてくれたし、コールドで勝てた。今日は良いスタートが切れたんじゃないかな」と上野。五輪初出場で本塁打の藤田は「五輪が無事開催されてほっとしている。この舞台に立つことが夢だった」と語り、五輪の舞台にソフトボールが戻ったことに「この13年間ずっと時が止まっていた。いまやっと動き出した」と感慨深げだった。

オーストラリアとは浅からぬ因縁があり、決して簡単な相手ではなかった。2004年アテネ五輪は2度敗れて銅メダルに終わり、08年北京五輪でも大接戦を演じた。初戦での対戦は3大会連続。毎回表彰台に顔を出す実力国は骨が折れる相手だ。

全競技の先陣を切り、多くの選手は五輪未経験。重圧になる要素はいくつもあった。だが、うまくやり過ごしての白星発進。エースが先発し、長打で得点を重ねるという理想的な勝ち方は勢いがつく。

今大会は1次リーグを総当たりで行い、上位2チームが決勝に進む。26日の米国戦まで落とせない厳しい戦いが続くが、この日の試合運びを見る限り、まずは順調な船出といえるだろう。

(渡辺岳史)

福島県営あづま球場で始まった東京五輪ソフトボールの日本―オーストラリア戦。全競技を通じた"開幕戦"となったが、新型コロナ感染防止策として無観客で行われた(21日午前、福島市)=共同通信社ヘリから
先発した上野
三回、内藤が勝ち越し2ランを放つ=共同
五回、2点本塁打を放った山本(5)を迎える日本ナイン
Tokyo Olympics and Paralympics 特設サイトへ

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