変わるスポーツ中継 「地上波からネットへ」まとめ読み

テレビ地上波が主舞台だったスポーツ中継が、大きく変わろうとしています。サッカー・ワールドカップ(W杯)やボクシング注目の一戦が相次いで動画配信サービスによって中継され、スポーツを有料で見るのが当たり前になりつつあります。収入と引き換えにファンが減る懸念はないのか。配信業者や主催者、競技団体などの思惑、戦略に迫りました。

有料配信は潤沢なマネーをスポーツ界にもたらす一方、競技の普及にはマイナスとなる。英国では五輪やサッカー主要大会で無料放送を義務付ける「ユニバーサルアクセス」を動画配信サービスにも広げる議論が始まっている。

番組を見るごとに数千円を課金するペイ・パー・ビュー(PPV)がボクシングや格闘技で増えている。先例は米国で、数億円のファイトマネーを生み出す源泉となってきた。ただ、無料でテレビを見ることに慣れ親しんできた日本で定着するにはハードルが待ち受ける。

「放送から配信」の流れをつくっているのは配信事業者だけではない。高額の放映権料が見込めないスポーツ団体や主催者も、配信に活路を見いだそうとしている。東京五輪が終わり、運営の自立が課題となる中、自前の配信はビッグデータの活用という点でも可能性がある。