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Bリーグ、興行と感染予防の両立へ「勝負はここから」

コロナ禍1年 スポーツの今①

新型コロナウイルスの感染がこの国に広まって、間もなく1年。数次にわたる感染の波を越え、いままた緊急事態宣言下の逆風にさらされながら、それでもスポーツのある日常を取り戻そうとする人々の姿を追った。

「試合数や外国籍選手が多いBリーグが全日程を終えることは五輪にもつながる」と話す島田チェアマン(13日、東京都文京区)

昨季はリーグ戦の3分の1を残して打ち切りを強いられたバスケットボール男子Bリーグ。昨年10月に開幕した今季も前途多難だが、島田慎二チェアマンは「政府方針に従い、自治体の了解を得ながら強い意志で全日程を終えたい」と話す。

「食べ物の持ち込みはご遠慮いただいています」。1月13日夜、B1(1部)川崎のホーム、とどろきアリーナ(川崎市)の入場口。普段はファンの列ができるキッチンカーの姿はなく、来場者に繰り返し注意を促すスタッフの声が響いていた。

この日は1都3県に2度目の緊急事態宣言が発令されて以後、初めての試合。政府が飲食店の営業を午後8時までとするよう要請したことを踏まえ、アリーナ内外での飲食の販売を取りやめ、場内ではソフトドリンクのみを口にできるとしたクラブの対策強化の一環だ。

従来の入場時の体温測定に加え、スタッフを増員して館内でのマスク着用徹底を呼びかける一方、選手紹介時にはコートに炎が噴き上がる演出や音楽などで場内を盛り上げた。1席ずつ空けて観戦したファンは好プレーに拍手で反応。この光景がBリーグの新たな日常になっている。

開幕以来、B1とB2(2部)はリーグ戦全1080試合のうち約半数を消化。収容上限の最大50%までファンを入れた運営を続けており、リーグによると、観戦後に新型コロナの陽性判定が出たケースは4件だったという。

「会場が感染源になったことは一度もなく、クラスターもない。ファンも健康管理に気をつけて来場してくれており、ここまではリーグやクラブの対策の実効性が示せている」と島田氏。選手やコーチらはリーグ負担で開幕前から2週間に1度のPCR検査を受け、結果を全て公表している。

 昨年10月の千葉と名古屋Dの一戦。感染が広がるまでは、入場制限が撤廃されそうな空気だったが…(共同=Bリーグ提供)

同じく昨秋に始まったバレーボールのVリーグは緊急事態宣言を見据え、今月8~11日の試合を「移動などに伴うリスクを避けるため」として延期。卓球Tリーグは今月20日から有観客で試合を始めたばかりだ。Bリーグも開催地である水戸市の要請を受け、今月中旬に予定していたオールスターゲームが直前で中止になった。

アリーナ競技の中でもバスケットは接触が多く、外国籍選手も多い。島田氏は「(感染がやや落ち着いた)昨年11月ごろには入場制限が撤廃される空気があったが、急転直下で悪化している」と逆風を受け止めつつ、2季連続でのシーズン打ち切りは何としても避けようと関係者が一丸となっていると強調する。

「自治体から『市民の健康や安全を考えてアリーナを貸せない』となれば従うが、それは同時に地元を元気にするコンテンツを消すことになる。リーグはクラブも選手もスタッフも守りたいし、ファンの安全にも留意する。相反するものときちんと向き合い、バランスを取ってベストを尽くしていることをこれからも社会に伝え続けたい。本当の勝負はここからだ」

(鱸正人)

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