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大リーガー、関西人多いのなぜ? 「開拓者精神が旺盛」

とことん調査隊

岩手出身の大谷翔平の活躍が際立つ米大リーグだが、歴代の日本選手は関西人、とりわけ大阪人が多い。大リーグでプレー経験のある歴代の日本ゆかりの選手64人の出身地を調べたところ、都道府県別の1位は大阪の12人。2位の東京(6人)を大きく上回る。日本選手による大リーグ挑戦のパイオニアの野茂英雄に始まり、現役でもダルビッシュ有と前田健太が大阪出身だ。関西人の比率が高いのはなぜなのか。

米野球データサイト「ベースボールリファレンス」がまとめている「出生地日本のプレーヤーズ」のうち、日本球界にゆかりがない一部選手を除いた64人の出身地を調べた。

都道府県別の3位も兵庫(5人)だった。今季から日本球界に復帰した田中将大(楽天)や田口壮(オリックスコーチ)らが兵庫出身だ。 

地方別でも関西が1位の23人で、2位の関東(17人)を上回る。現役の大リーグ日本人選手8人のうちダルビッシュと前田に和歌山出身の筒香嘉智を加えた3人が関西出身だ。

野茂と同時期に日本から大リーグに挑戦したパイオニアの一人で、兵庫出身の長谷川滋利氏は「関西人が多いのは偶然ではない」と指摘する。オリックスでプレーしていた長谷川氏は1995年の野茂の大リーグ挑戦から2年後の97年にエンゼルスに入団。同時期に大リーグでともに活躍した伊良部秀輝とマック鈴木が兵庫出身、吉井理人が和歌山出身とほぼ全員が関西出身者だった。

長谷川氏は「関西人は関西の外に出て一旗揚げたいと思っている人が多いと感じる」と、開拓者精神が強い関西人気質が関係しているとみる。

大阪の名門・上宮高の監督やコーチ時代に大阪出身の元大リーガー、黒田博樹を指導した現近畿大野球部の田中秀昌監督は「(75年2月生まれの)黒田とその前後の学年などこの世代は大阪の高校から6人も大リーグに行っている。これはすごいこと」と話す。

田中監督が挙げる6人は、上宮高時代の教え子の黒田とその1学年先輩の薮田安彦、渋谷高の中村紀洋、東海大仰星(現東海大大阪仰星)高の上原浩治と建山義紀、PL学園高の松井稼頭央だ。全員が大阪出身。田中監督は「関西の野球熱の高さや少年野球の指導環境の充実が大きいのでは」と指摘する。

多くのプロ野球選手を育ててきた小中学生の硬式野球の団体「日本少年野球連盟」(通称・ボーイズリーグ)の本部が大阪にあり、同連盟のチームの活動がもっとも活発なのが関西だ。同連盟によると中学部の全国613チームのうち大阪に都道府県別でトップの71チームが集結する。

現役の関西出身大リーガーのうちダルビッシュは羽曳野ボーイズ、筒香は堺ビッグボーイズ、前田は忠岡ボーイズと全員が大阪を拠点に活動するボーイズリーグOBだ。筒香の恩師、堺ビッグボーイズの瀬野竜之介代表は「近くに甲子園球場があり、チームの先輩らが出場する試合を気軽に見に行ける環境が大きい」と話す。

瀬野代表によると、筒香は98年の横浜高(神奈川)―PL学園高の延長十七回の激闘を生観戦して以来、横浜高に憧れを抱き進学。瀬野代表は「関西の球児は(筒香のように)野球留学にも抵抗がない。関西人はよそに行っても関西弁が変わらないように郷土愛は強いが、(活躍できるなら)地元にはこだわらない」と長谷川氏と似た見解を示す。実際、ダルビッシュや田中将も野球留学している。

現在、米ロサンゼルスに在住する長谷川氏は「ロスでも現地になじんでいる日本人は関西人が多い。ユーモアがあり、コミュニケーション能力が高い関西人は海外生活になじみやすいのかもしれない」。様々な要因が絡み合い、関西出身選手の活躍につながっているようだ。

(田村城)

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