/

「2度目」競馬実況デビュー 新しいパートナーとともに

こんにちは。初めて「競馬実況アナ日記」を担当する三浦拓実です。1月にラジオNIKKEIに入社し、あっという間に3カ月余りが過ぎました。48歳の新入社員。3月からは実況も担当しています。今回は、私が初めて実況を担当した時のことを振り返ってお話しさせていただきます。

ラジオNIKKEIで初めて競馬実況を担当したのは3月6日。中山競馬場の前半のレースです。上司から初実況の日を伝えられたのは約1カ月前。前職でも競馬放送に携わり、実況の経験もありましたが、最後の実況は2016年5月、マカヒキが勝った日本ダービーでした。

ブランクは5年9カ月以上。馬は判別できるだろうか、言葉はすぐに出てくるだろうか、レースの流れについていけるだろうか、声は続くだろうか、など不安や心配はありました。毎週末、中央競馬実況中継の放送の合間に実況トレーニングができるよう勤務を調整してもらい、練習を積み重ねていきました。

ベテラン競馬記者の「親心」

デビューの日が近づいてきたころ、競馬場で、旧知のベテラン競馬記者の方にお会いしました。あいさつの後、久々に実況することを伝えると「三浦さん、今のサラブレッドは休み明けから普通に走る時代ですからね」。そう、一たたきなどといわれたのは過去の話。長期休養明けで勝利を挙げる馬は、今では珍しくありません。

どれだけブランクが長くても、やるからには結果を出すのがプロの仕事。我々アナウンサーも同じです。私にかけてくださった一言は、大ベテランの「親心」だったと思います。その言葉を受けて、より気持ちが引き締まりました。

実況前日は中継のパドック進行やレース後の談話取材を担当。翌日の準備も順調に進み、夜は普段通り眠れました。実況資料、双眼鏡、取材章など、忘れ物がないのを確認し、電車を乗り継いで、朝8時すぎに中山競馬場に到着。風は冷たかったですが、青空が広がっていて、雨や霧などで視界がさえぎられる心配がなさそうなので安心しました。

9時からは放送の打ち合わせです。弊社では打ち合わせの最初に、馬の名前の「読み合わせ」をアナウンサー・キャスター全員で行います。その日の実況を担当するアナウンサーが自分の資料に書いてある馬の名前を読み上げ、間違いがないかを確認する作業です。それまでは確認する側だった私が、この日は「確認される」立場。第1レースから第6レースまで90頭(出走取消が1頭出たので、レースに出たのは89頭)、一頭も間違いはなく、第一関門はクリアです。

9時55分ごろに第1レースの出走馬がダートコースに入場。出走馬の紹介が最初に声を出す仕事になるのですが、前職では経験しなかった業務で、競馬場内にも音声が流れることもあって実況以上に緊張しました。

5年9カ月ぶりの本番

そして10時5分、ファンファーレが流れて、いよいよレースがスタート。隣に中野雷太アナウンサー、後ろに小塚歩アナウンサー、経験豊富な先輩2人にサポートについてもらい、1800メートルのレースを伝えました。勝ったのはミッキーストロングという馬で、なんとその日が初出走の馬だったのです。実況デビューのレースでデビュー戦の馬が勝つ、何とも不思議な巡り合わせを感じたものです。その後、第2レース、第3レースと続き、第6レースまでを担当して、私の出番は終わりました。

無事に当日を迎え、大過なく実況を終えることができ、ホッとしたというのが正直な気持ちでした。前職でも経験したのですが、新人が最初に担当する時は、当人より周囲の方が緊張したり不安に思ったりするものです。今回もそうだったと思います。先輩アナウンサーや先輩ディレクター、先輩技術スタッフの様々な気遣いには感謝の言葉しかありません。多くの人に支えられていることを改めて実感した一日になりました。

過去にも私は「競馬実況デビュー」を経験しています。前の職場に在籍中の01年3月25日、中京競馬場で行われた第31回高松宮記念が人生で初めて中央競馬を実況したレースです。アナウンサーになって丸4年がたとうとしていました。当時の資料は今も手元に残っています。

21年前も、とても緊張しました。始まる前は何度も何度も深呼吸をして、レース後は気が抜けてぐったりしてしまったのを覚えています。事前に現地でレースを見ようと、1週間前か2週間前、休暇を取って自費で中京競馬場まで行き、指定席でぶつぶつつぶやきながら実況の練習をしたことも、今となってはいい思い出です。周りのお客さんには迷惑をかけてしまったかもしれませんが……。

今回、再び競馬実況を担当するにあたって、「パートナー」を新しくしました。それは双眼鏡です。

左が長年愛用していた双眼鏡。学生時代に購入し、25年以上使い続けてきました。ダイワスカーレットとウオッカの激闘(08年天皇賞・秋)も、テイエムプリキュアとクィーンスプマンテの大逃げ(09年エリザベス女王杯)も、ディープインパクトの凱旋門賞(06年)も、この双眼鏡で伝えました。私のアナウンサー人生とともに歩んできたともいえる存在で、買い替えにはためらいもありましたが、「より高倍率で、鮮明に見えるものを」と、再スタートのタイミングでバトンタッチを決めました。

古いパートナーは、今も大事にしまってあります。これからは新しいパートナーとともに、馬に関わる多くの人の努力や熱意に思いをはせ、ファンやリスナーと一緒にワクワクしながら事実を正確に伝える実況、勝負の核心に迫る実況を目指して頑張っていきます。

毎週末競馬に関わっていると、あっという間に時間が過ぎていきます。4月からは先輩の大関隼アナウンサーとともに、1週間の地方競馬の話題をまとめてお伝えする「地方競馬プラスワン」という番組も担当しています。GⅠレースが続き、競馬が盛り上がる季節。「中央競馬実況中継」や「うまきんIII」などとともに、ラジオNIKKEIの競馬番組をご愛顧いただきますよう、どうぞよろしくお願いします。

(ラジオNIKKEIアナウンサー 三浦拓実)

各アナウンサーが出演、ラジオNIKKEIの競馬番組はこちらでチェック! http://www.radionikkei.jp/keibaradio2/

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン