/

コロナ禍だから…若者らゴルフ始める人が増加

ゴルフジャーナリスト 地平達郎

米ツアーは今も無観客開催が原則だが、マスターズは観客を入れることに(17日、ソニー・オープン最終ラウンド)=USA TODAY

コロナ禍でイベント開催に腐心するスポーツが多い中で、プロゴルフが再開の道を着実に歩んでいる。昨年9月に始まった米国男子2020~21年ツアーは中止もなく順調にトーナメントを消化。3月に女子から開幕する国内ツアーも「右へならえ」のようだ。

とはいえ、日米ともこれまでは無観客開催が原則である。そんな中、4月のマスターズは人数制限するもののギャラリーを受け入れるそうで、いよいよ第2段階に移ってきた。

その背景には、広大なゴルフ場で行われるトーナメントは、ギャラリーが入ったときの密集をどう避けるかが大きな課題だが、プレーそのものは3密の危険が非常に小さいことがある。主催者側が大会開催に強気なのもそのあたりが理由となる。

それを裏付けるかのような数字が米国で出ている。新型コロナ感染が拡大する中でも、ゴルフをする人が増え、それにつれて、低迷気味だったゴルフ用品の売上高が昨年、底を打って急回復したのだ。

初心者が練習場へ、平日もそこそこの混み

国民性の違いもあって米国ほど顕著ではないが、日本でもその傾向がうかがえる。コロナ禍でもゴルフ場やゴルフ練習場に行く人が減らないのだ。

さすがに春先は自粛ムードだったが、5月ごろから急増し、夏場になると比較的プレー費が安いコースでは予約がとれないほどになり、客足が落ちる大寒のこの時期も例年よりにぎわっているという。

ゴルフ練習場ではさらに違った現象も現れている。都市近郊の大型練習場では、普段は来場者が少ない平日もそこそこ混んだ状態が続き、特に若い人が増えているそうだ。それも、ゴルフを始めたばかりと思われる男女2人組や、父親に連れられて来た人など、初心者が目立っているという。

それに伴って、クラブなどゴルフ用品の売れ行きにも変化が現れてきている。都内の大型ゴルフ用品店では、これまではあまり動かなかった初心者向けのハーフセット・クラブが売れるようになって店員も驚いている。

他にも、客足が伸びている意外な業界がある。

一つは自動車教習所。若者の車離れがいわれて久しいが、昨年は運転免許をとろうとする大学生や若い社会人らが増えた。例年、11月以降は増加するそうだが、今シーズンはそれに拍車がかかり、予約待ちのところも出てきている。

業界の長年の願い、思いもかけぬ形で

車に関してはもう一つ、中古車市場がにぎわっているのも新たな現象といえる。公共交通機関が発達した都市部では、駐車場の問題や維持費のことなどで敬遠され、ここ数年は新車販売台数も完全に頭打ち状態。同様に中古車市場も振るわなかったが、昨年の秋ごろから引き合いが増えているというのだ。

大都市を中心に2度目の緊急事態宣言が発令され、「自粛」が叫ばれ、人々はうんでいる。ステイホーム、ホームワークで、自宅にいる時間は増えた。せめて3密を避け、外に出て思い切って体を動かしたい、混雑するバスや電車に乗らないでどこかに出かけたい。そんな切実な思いからゴルフをすることを思いつき、とりあえず中古でもいいから自家用車を……につながったとも考えられる。

日本も米国も、戦後生まれの「団塊の世代」が、バブル景気にも乗ってゴルフ人気のけん引役となった。その彼らも後期高齢者に差し掛かり、ゴルフ人口の先細りが現実のものになる危機が叫ばれてきた。

若い人たちがゴルフに興味を示し、始めてほしい……。業界の長年の願いが、思いもかけぬ「コロナ禍のおかげ」で現実のものになるかもしれない。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連キーワード

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン