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五輪男女サッカー 初戦が最重要、欲しい勝ち点3

サッカージャーナリスト 大住良之

17日のスペイン戦で先制ゴールを決めた堂安(背番号10)を祝福する吉田らU-24日本代表の選手たち=共同

1年間「おあずけ」をくった「東京2020オリンピック」がいよいよ開幕する。7月23日の開会式を前に、サッカーは21日に女子の、そして22日には男子のグループリーグ初戦を迎える。

先週、U-24(24歳以下)日本代表は2試合の親善試合をこなし、ホンジュラスに3-1、スペインに1-1の1勝1分け。一方の日本女子代表「なでしこジャパン」はオーストラリアと対戦して1-0で勝利を収めた。相手はすべてオリンピックに参加するそれぞれの国の代表で、U-24スペイン代表には終わったばかりの欧州選手権出場選手(スペインのフル代表)6人が含まれていた。

来日直後で相手がトップフォームにないのを差し引いても、日本の男女代表がこうした強豪を相手に戦う準備が整いつつあるのを実感した3試合だった。

男子では、何といっても「オーバーエージ」3人の存在感が光った。フル代表でもキャプテンを務めるDF吉田麻也、右サイドバックのDF酒井宏樹、そしてボランチのMF遠藤航である。フル代表でも完全なレギュラーであるDF冨安健洋を加えると、日本の守備陣はほぼフル代表といって過言でない実力と経験を備えている。ボランチの遠藤は田中碧あるいは板倉滉とコンビを組むが、DFからボランチまでの強さは男子の「メダルとり」の大きな要素となる。

堂安㊧、久保らU-24日本代表の攻撃陣には多彩なタレントがそろう=共同

そして攻撃陣は多彩なタレントが並んでいる。右に位置する堂安律と「トップ下」の久保建英は自在にポジションを交換し、変化に富んだ攻めを見せる。堂安は6月からのU-24の4つの親善試合のすべてで得点を記録し、スペイン戦でも久保のパスをたたき込んでゴールを守る欧州選手権代表のGKシモンをあぜんとさせた。

左サイドは三好康児、相馬勇紀、そして三笘薫などを相手に応じ、状況に応じて使うことになるだろうが、3人とも個での打開力をもっており、チャンスメーカーとして活躍するはずだ。

なでしこジャパンも守備が整ってきた。2011年女子ワールドカップ優勝時にレギュラーのなかでは最年少だったDF熊谷紗希と若いDF南萌華がセンターバックのコンビを組み、大型の欧米勢に対しても高さでひけをとらないだけでなく、攻撃の起点となって日本のリズムをつくる。そして現在最も充実しているのがボランチの2人だ。長くウイングとして活躍してきた中島依美がボランチで新境地を開き、才能あふれる三浦成美と組んで守備も配球も素晴らしい。

なでしこジャパンのボランチ、中島㊧と三浦㊨は現在最も充実している=共同

ただ、攻撃陣は男子と比較するとやや手薄感がある。熊谷とともに11年ワールドカップを経験している岩渕真奈が高い技術で打開をはかるが、かつてなでしこジャパンを世界のなかで際だった存在にしていた攻撃のコンビネーションがいまひとつなのだ。19年の女子ワールドカップで日本の攻撃をけん引し、国際的にも高い評価を得た長谷川唯が、なかなか本調子にならないのも懸念要素だ。

オリンピックは準々決勝が最大のヤマになる。これに勝てばベスト4。「メダル獲得」が現実的なものとなる。ここでもっている力を出し切ることが何より重要だ。男子は、日本が属するA組で1位でも2位でも、準々決勝の相手がB組のいずれかのチームであることが決まっている。B組はニュージーランド、韓国、ホンジュラス、ルーマニアがはいる組だ。

一方、出場チームが12(4チーム×3組)の女子は少し複雑だ。3位でも準々決勝に進出できる可能性があるからだ。だが日本がE組で1位なら他の組の3位と、そして2位ならF組(中国、ブラジル、ザンビア、オランダ)の2位との対戦。この組はオランダがずぬけていると予想されている。グループで1位あるいは2位を占めれば、準々決勝を勝ち抜く可能性はぐっと高くなりそうだ。準々決勝は、女子が30日、男子が翌31日だ。

だが一足飛びに準々決勝の舞台に立てるわけではない。グループリーグ突破が最初のターゲットであるのは、どの大会も変わらない。2位以内にはいるには、最低でも勝ち点4は欲しい。とすれば、初戦が最も重要ということになる。ここで勝って勝ち点3を手中にできれば、2戦目、3戦目の戦い方も選びようが出てくるからだ。

女子の初戦は21日、19時30分に札幌ドームでキックオフとなるカナダ戦。フィジカルが強くスピードのあるチームだが、オーストラリア戦の経験が生きるはず。しっかりと守り、ゴールを陥れて勝利をつかみたいところだ。

男子初戦は翌22日、20時キックオフ、東京の東京スタジアム(味の素スタジアム)で行われる南アフリカ戦。アフリカ勢としてはフィジカルを前面に押し立てるタイプではないので、日本としてはやりにくい相手ではないと思われる。

厳しい暑さのなか、「中2日」での「連戦」が続くオリンピックのサッカー。男子も女子も、チーム一丸でメダルに向かって突き進んでほしい。

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