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オープン戦、結果悪くても…公式戦の成績とほぼ無関係

野球データアナリスト 岡田友輔

2022年のプロ野球開幕が迫ってきた。この時期、自然と気になるのがオープン戦の成績だ。注目の新庄剛志監督が率いる新生日本ハムは、2試合目から2引き分けを挟む5連勝と上々のスタートを切った。最下位からの巻き返しを期すDeNAも好調だ。一方、昨年日本一のヤクルトや2年ぶりの優勝を狙う巨人は負けが込んでいる。シーズンを占ううえで、オープン戦の成績はどれぐらい参考になるのだろうか。

06年から21年にかけて、12球団のオープン戦とペナントレースの勝率の相関係数を算出してみると「0.177」という数字が出てくる。相関係数は2つのデータの関連性の強さを示し、1に近づくほど正の相関が強く、0に近づくほど相関が弱いことを示す。

0.177という数字は、オープン戦と公式戦の成績はほぼ無関係であることを意味している。オープン戦で勝てなくても悲観する必要はないし、好調なチームのファンも安心はできないということだ。

オープン戦と開幕後の目的が全く違うことを考えれば、これは驚くに当たらない。勝利を目指すペナントレースに対し、オープン戦では将来を見据えて若手に経験を積ませ、1、2軍の当落線上にいる選手をふるいにかけ、主力やベテランには調整をしてもらう。投手は打たれるかもしれないとわかりながら、あえて色々な球種を各コースに投げて相手打者の得意、不得意を探る。セオリーとは異なる奇抜な戦術を見せてシーズンの布石を打つこともあるだろう。

結果が求められる選手や勝ち癖をつけることが必要なチームもあるが、目指すところは選手やチームによって様々だ。始まってみないと分からないのがペナントレースなのである。

しかし、ペナントレースには蓋を開けただけでは分からない側面がある。開幕から10試合消化時の順位と最終順位にはどのような関係があるのだろうか。1970年以降、10試合消化時点と最終的な順位の関係を調べてみると、相関係数は0.32。オープン戦よりは大きいが、強い相関があるとはいえない。

勝率と最終順位の関係もみてみよう。開幕10試合で勝率7割以上というスタートダッシュに成功したのべ106チームのうち、最終的に1位だったのは35チーム。Aクラスに約8割のチームが入っていることを考えればスタートダッシュを決めるのに越したことはないのだが、優勝となると3回に2回は届いていないのが現実だ。

これはこれまでのコラムでも解説してきたように、サンプルサイズの小ささに起因している。実力が拮抗しているプロ野球では、運や巡り合わせが勝敗に影響を与える。好不調の波も考えると、僅か10試合では実力を測れないのだ。途中順位と最終順位の相関係数が0.5を超えるのは30試合を消化したあたりから。5月の連休明けぐらいになると、おぼろげながら地力が見えてくる。

これは開幕でつまずいたチームにも当てはまる。10試合で勝率3割以下だったのはのべ113チームあるが、うち3割はそこから巻き返し、Aクラスでシーズンを終えた。1位になったのも6チームある。

開幕直後は注目されやすいが、そこでの勝敗のシーズンに対する影響が特別に大きいわけではない。多少負けが込んだとしても、大事なのは焦ったり、パニックに陥ったりしないこと。シーズン勝率が3割に満たなかった誕生直後の楽天のように明らかに戦力が不足している場合は別として、挽回する時間はたっぷり残されている。

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