井上尚弥も地上波中継なし ひかりTV、アベマで有料配信

世界ボクシング協会(WBA)、国際ボクシング連盟(IBF)バンタム級統一王者の井上尚弥(大橋)が12月14日に東京・両国国技館で行う防衛戦がテレビ地上波で生中継されず、有料ライブ配信されることが18日発表された。WBAミドル級王者の村田諒太(帝拳)の年末の統一戦もアマゾン・プライム・ビデオでの配信が決まっており、スポーツコンテンツの争奪が過熱している。
アラン・ディパエン(タイ)の挑戦を受ける一戦は、井上にとって約2年ぶりの日本での試合になる。これまで国内で行った世界戦は全てフジテレビが中継してきたが、今回はNTTぷらら(東京・豊島)の運営する動画配信サービス「ひかりTV」と、インターネットテレビ「ABEMA(アベマ)」がペイ・パー・ビュー(PPV、番組課金)で配信する。ひかりTVの場合、通常価格で税込み4950円で前座を含めた全試合が視聴できる。
NTTぷららは3年前から井上とスポンサー契約を結んでいる。東京都内で記者会見した永田勝美社長は「(井上の所属する)大橋ジムと一緒にビジネスの拡大を目指していきたい」と語り、興行の演出や映像技術にも力を入れることを明らかにした。

通常のサブスクリプション(定額課金)ではなくPPVで配信することについては「今回のような魅力的なコンテンツは、通常のサブスクの範囲内で提供するのは難しい。こうしたコンテンツを使ってお客様(会員)を増やしていきたい思いもあり、総合的に判断した」と説明した。井上は昨年、今年と2戦続けて米ラスベガスで行った防衛戦では推定100万ドル(約1億1400万円)のファイトマネーを得ており、高額な報酬をつくるためにもPPV配信を選択したようだ。本場米国では人気ボクサーの試合はテレビでもPPV中継が定着している。
会見に出席した井上は「米国では(PPVは)主流。日本も時代が変わってボクシングを見るにはPPVと変わっていく流れだと思うので、自分も一発目として成功させたい」と語った。
(山口大介)