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松山、メジャー制覇で境遇一変 凱旋出場の好機増える

ゴルフジャーナリスト 地平達郎

松山はAT&Tバイロン・ネルソンで39位に終わったが、結果は織り込み済みの再スタートととらえているのではないか=共同

ゴルフメジャー第2戦の全米プロが20日に始まる。注目は何といっても、日本人選手として初めてマスターズで優勝した松山英樹の戦いぶりだ。

日本中を沸かせたマスターズが終わるとすぐさま4月13日に帰国。2週間の隔離生活のあと、家族や恩師、知人らと優勝報告を兼ねて会っていたそうで、その間ゴルフはまったくしなかったという。

先週はじめに渡米して今月13日からのAT&Tバイロン・ネルソンに約1か月ぶりのぶっつけ本番で出場。53位で予選通過したあと、やや盛り返して39位でフィニッシュしたが、「4日間できたことが収穫」という本人のコメントどおり物足りない内容となった。

このことで全米プロに向けての調整ぶりを心配する向きもあるようだが、本人も結果は織り込み済みの再スタートととらえているのではないだろうか。というのも、松山のツアーへの取り組み、スケジュール調整、目標などが、マスターズの優勝でこれまでとはガラッと変わったからだ。

プロゴルファーの大目標はメジャータイトル制覇である。しかしそのためにはまず、メジャー出場権を獲得することが大前提となる。

例えばマスターズは、大会前週までの1年間のツアー優勝者、世界ランキング50位以内など、特別招待を含めて19の出場資格が設けられている。2017年のブリヂストン招待以来3年余りツアータイトルのなかった松山にとって、今年のマスターズ直前の世界ランキング25位があったものの、生存競争のし烈な米ツアーではいつどうなるかわからない状況だった。

マスターズ以外のメジャー、全米オープン、全英オープン、全米プロなどもそれぞれに参加資格があるので、出場するにはそれらをクリアしなくてはならず、そのために無理をしてでも多くのトーナメントに出て、ひとつでも上位に入ってポイントを稼ぐスケジュールを強いられる。

松山も今年のマスターズ前まではそうだった。しかし、グリーンジャケットに袖を通したことで一転した。

まず、マスターズの終身出場権を獲得できた。さらに、メジャー4大会は相互に5年間の出場権を与えあっているので、今後5年間は4大会出場に何の心配もない。簡単にいえば、メジャー出場権を得るためにあくせくする必要がなくなったのである。

松山はグリーンジャケットに袖を通したことで、メジャー出場権を得るのにあくせくする必要がなくなった=AP

見方を変えれば、これからはメジャーに的を絞った余裕のあるスケジュールを組むことが可能になった。

メジャーのスケジュールは4月にマスターズ、5月に全米プロ、6月に全米オープン、7月に全英オープンと、4月から7月まで、ひと月ごとに組まれている。これをにらんで松山らトッププロは年間の出場予定試合を組んでいく。

米ツアーの1年を大まかにみると、1月にハワイや、カリフォルニア、アリゾナなど暖かい西海岸でスタートし、3月ごろにフロリダなど東海岸に移っていく。「プロゴルフツアー」と言われるゆえんである。

この間に体調に合わせて出る大会を決めていき、3月の準メジャー大会、プレーヤーズ選手権を経て、その後は一気にメジャーに突き進んでいく。

つまり、7月の全英オープンまでの前半7カ月が「勝負」だともいえる。もちろん、8月以降にも高額賞金の大会は組まれており、トッププロたちもそれぞれ何試合か出るが、メジャーが続く前半とは違った雰囲気がある。

松山もこれまでは8月以降もメジャー出場権を確保するために気の抜けないスケジュールを組まざるを得なかったが、マスターズの優勝で選択肢が広がった。外国人トッププロたちがオフシーズンに日本にやってくるのと同じように、日本のトーナメント出場機会が増える可能性が出てきたのだ。

幸い、国内では秋口から大きな大会がいくつか組まれている。今までは出たい気持ちはあっても、米ツアーのことを考えると思いきれなかっただろう。そんな足かせも取れた今年は「凱旋帰国出場」を兼ねてのチャンス十分とみる。

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