モロッコ、紙一重の4位 「ホーム」でワールドカップの盛り上げ役に - 日本経済新聞
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モロッコ、紙一重の4位 「ホーム」でW杯盛り上げ役に

痛む足を引きずり、動かない体にむち打ってモロッコが攻め続けたのは、多くの人たちの思いを背負っていたからだろう。観客席を赤く染めた母国のサポーターだけでなく、出稼ぎ労働者も含めたアフリカ、アラブ一丸の後押し。早々と敗退した記憶すら忘れられがちな地元カタールに代わって「ホームチーム」となったモロッコが、大会の盛況にも大きく貢献した。

セットプレーで先制された直後にセットプレーでお返しした同点弾も胸を熱くさせる展開。健闘したフランス戦と同様に、追いかける状況の後半も強気で攻めた。ただ、ボール支配率はクロアチアの45%に対して44%と同等なのに、シュート数は13対7と見劣りした。ペナルティーエリアまでボールを運べても、なかなか最後まで崩しきれなかったのも事実。

その中でもエースのネシリに大きなチャンスが2度あった。75分にクロスから相手DFの連係ミスで迎えたGKとの1対1、終了間際には得意の空中戦で完全に競り勝ってのヘディング。前者は相手GKリバコビッチのスーパーセーブに遭い、後者はわずかに枠の上へ外れた。どちらかが決まっていれば勝負はわからなかったのだから、結果は紙一重といっていい。

「もちろん今は落胆している」というレグラギ監督だが、アフリカ勢の歴史を塗り替える4位という結果と内容に誇りを持って熱く語った。「今夜、我々はモロッコ、そしてアフリカの多くの国の子どもたちに夢を与えることができた。それはプライスレスなことだ」

次の階段を上がるために必要なのは経験の積み重ねだと指摘し、「15年以内にアフリカのチームがワールドカップを勝ち取る日が来るだろう」と言い切った。大会前なら見向きもされなかったはずの〝予言〟を、もう誰も笑うことなどできない。

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