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「1人でもまねしてくれれば」白井、笑顔で現役に別れ

花束を手に笑顔の白井健三。記者会見で現役引退を表明した=共同

振れ幅の大きかった現役生活を振り返る質問にも感情を高ぶらせることなく、白井は終始穏やかに引退理由を語った。驚異的なひねり技についても、「ミスター・ツイスト」と称された本人は「たまたま世界で初めてやった技が6個あっただけ」と謙遜しつつ、「1人でも白井健三の演技を見て、まねしたいと思ってくれる後輩がいればよかったかな」と笑った。

床運動と跳馬での実績に加えて、2017年世界選手権では個人総合でも銅メダルを獲得。日本のエース候補として歩んできたが、19年以降は一転して苦難の日々だった。足首などの度重なる負傷だけでなく、得意のひねりの際に足がそろわない点や着地姿勢の崩れを指摘されて国内でも成績は下降線に。高難度の演技をこなしても得点が伸びないことに不満を漏らしたこともあった。

年齢的にはパリ五輪も十分に狙えるが、白井を指導してきた日体大体操競技部の畠田好章副部長は「競技寿命には代表を何年続けたかという年数もある。本人にしかわからない重圧もあり、モチベーションの維持が難しくなる」と指摘する。高校2年生から世界の第一線で活躍してきただけに、ここから再起を目指すことは簡単ではないのだろう。

それでも目にもとまらぬスピードで披露したひねり技は多くの人の記憶に残る。畠田副部長は「練習だけならできる選手はいっぱいいるが、それをメダルが懸かった試合でやること自体がすごい。世界でたぶん1人しかいない床のスペシャリストだと思う」。技に残した名前とともに、体操界に刻んだ足跡は大きい。

(本池英人)

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