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阪神のルーキー中野、遊撃でキラリ 佐藤輝と同期入団

吉田義男、藤田平、鳥谷敬と、阪神の遊撃手は伝統的に際立った名手がそろっていた。しかし、鳥谷が退いてから確固とした後継者が不在だった。最近やっと新人の中野拓夢(24)が台頭してきた。さて、偉大な先輩たちのような存在として輝くか。

中野は日大山形高、東北福祉大、三菱自動車岡崎を経てドラフト6位で2021年に阪神入りした。右投げ左打ちの俊敏な好選手だが、171センチ、69キロと小柄のため、前評判はさほど高くなかった。

春先の阪神は、同期入団のドラフト1位佐藤輝明の話題一色。ただ、新戦力の偵察にやってきた他球団の関係者の中には、「これは6位の選手ではない」という表現で、中野の力を認める声が多く聞かれた。

リストを利かせた打撃が何よりも魅力的。スイングはシャープで、長打を飛ばす力を秘めていると見られた。矢野燿大監督ら首脳陣も打撃センスのよさを認め、実戦に早くなじませるチャンスをうかがっていた。

開幕の遊撃は予想通り木浪聖也だったが、控えに予想外の選手が登場した。金銭トレードで巨人から獲得した山本泰寛。遊撃、二塁、三塁をこなす守りは抜群で、拙守に悩み続けた阪神は貴重な守備固め要員を得た。

ところが、山本は打撃でも意外に光った。そのため、中野の本格的デビューが遅れた。木浪が開幕から振るわず、山本の打撃も下降してきたため、ようやく出番が巡ってきた。4月10日のDeNA戦で、8番遊撃で初めてスタメンに名を連ねた。

矢野用兵は打順を固定し、頻繁な交代起用はしない。ましてチームが勝っている時のオーダーはいじらないのがセオリーだ。

中野はよく打って、その用兵にすっぽりとはまった。木浪、山本をスタメン出場数で追い抜いただけではない。5月に入って4日のヤクルト戦や7日のDeNA戦で猛打賞(1試合3安打以上)を記録するなどして、レギュラーへ前進した。

今季の阪神打線は上下位ムラなく打っているが、7番梅野隆太郎がとくに好機に強い。これに8番中野のバットが加勢すると、迫力は倍加する。投手にも秋山拓巳、西勇輝ら打撃自慢が多いので、まさに「恐怖の下位打線」が形成される。

ただ、二遊間を守る選手は、打つ以上に守りが重要。吉田らを育てた松木謙治郎元監督は「安打1本打つのと同じに、相手の安打を1本防ぐのが大事」と説いた。それと同時に、併殺プレーをどこまで堅実にこなせるか。先輩遊撃手に並ぶ道はまだ遠い。

(スポーツライター 浜田昭八)

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