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体操・村上、涙の五輪切符「けがの前より強くなれた」

NHK杯第1日女子個人総合で平均台の演技をする村上=代表撮影

エースが悠々と手にした2度目の五輪切符。そんな構図に似つかわしくない涙が村上の瞳からとめどなくあふれた。試練を乗り越えたという達成感、安堵の涙だ。

「3年間はすごく長かったけど、自分が体操を好きだということもあらためてわかった。一から競技力も人間力も見直すことができて、けがする前よりも強くなれた」。日の丸を背負うのは世界選手権個人総合で銀メダルに輝いた2018年以来。腰痛で練習もできない期間やコロナ禍の空白を経て、ようやく世界の舞台へ挑む権利を得た。

これまでのモヤモヤをぶつけるように、選考会は後続に影も踏ませぬ独走だった。この日は段違い平行棒であわや落下というミスが出たが、片手でバーにぶら下がって回避する根性も発揮。最終演技の床運動は代名詞の大技「シリバス(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)」を豪快に決めるなど、ただ一人14点台に乗せる貫禄の出来だ。

全日本選手権を終えた時点で安全圏のリードを築いても心の余裕はなかった。2年前に腰痛で離脱したのもNHK杯直前で、「もう一回やったら気力も体力も持たない。普段から『明日もけがしないようにしなきゃ』と頭をよぎっていた」。

優勝して東京五輪代表に決まり、インタビューで感極まる村上=代表撮影

実は今大会直前も左太ももを痛めたが、あえて床や跳馬の着地を一歩跳ねることで負荷を和らげていた。つらい記憶を振り払い、冷静に演技を連ねる姿に田中光・女子強化本部長も「世界でメダルを取れる位置にいる。最高峰を目指してもらいたい」と期待を寄せる。

団体でも個人でも表彰台を目指す2度目の五輪で、自らに求められる役割は重々承知だ。「自分がいい演技、いい練習をして引っ張っていけば後輩もついてきてくれる。そういう選手、キャプテン、アスリートになりたい」

(本池英人)

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