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突出したネットプレー、より磨く テニス・望月慎太郎㊦

2014年全国小学生選手権準決勝、望月慎太郎(18)は1歳年長の第2シードと当たった。競った展開でネットから距離のある位置でバックのハイボレーをサラッと決めた。プロでも落ち着いて決めるのは難しいプレー。視察したIMGアカデミー(米フロリダ州)のコーチ陣は度肝を抜かれた。

「小学生、しかも小柄なのに、そういうことを平然とやるメンタリティー。自分からポイントをとろうとする、自分を表現しようとする姿にね(驚いた)。試合は負けたんですけど」。コーチ陣の一人、山中夏雄は言う。

気持ちの強さとボレーのうまさを見込み、コーチ陣はネットプレーを徹底的に鍛えた。特にスマッシュはコートのどこからでも打てるように。体が小さいからロブで頭上を抜かれないようにするためだ。リターンを強化し、ダブルフォールトを恐れてセカンドサーブを入れにいく弱気な姿勢は禁じた。

一方でかなり癖のあるフォアハンドには手をつけていない。意外性があり、緩急はつけられ、ネットに詰めるまでの流れがよかったからだ。

今の望月はネットプレーとバックハンドに自信を持ち、サーブ&リターンと共にさらによくしたいという。フォアを磨く意識は今のところ希薄だ。「平均的な(何でもそつなくできる)選手が一番よくない。誰にでも勝てるものを持っていた方がギリギリのところで勇気を出していけると思う」

小学生の時は遊び感覚でネットに詰めていただけだった。日本に残っていたら、ボレーという武器に気づかず、大胆に長所を伸ばすこともなかったかもしれない。

19年ウィンブルドン・ジュニア優勝後、ジュニアのまま、国際テニス連盟(ITF)大会、下部ツアーとプロの大会を中心に回ってきた。そこを新型コロナウイルスが直撃。中止になる大会が増え、下部ツアーにもランキングが高い選手が出場するようになった。厳しい戦いが続いたが「僕はその前のことが分からないので。現状が普通と思えている」と冷静だ。

そんな中でも同じ03年生まれのカルロス・アルカラス(スペイン)は21年全米8強、ダブルスを組んでいたホルガー・ルネ(デンマーク)も世界103位まで上げた。自分はまだ300位台。「単純にすごいなって思う」が焦りはない。「少しずつ上がってきている。まずは来年中にトップ100に入りたい」

周りと比べるのは好きでない。渡米した時も下のクラスからはい上がったのだ。プロでも虎視眈々(たんたん)と上を狙っていく。=敬称略

(原真子)

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