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横山典の奮起、取り出した競馬専門紙…上半期を振り返る

男もすなる日記といふものを、アナウンサーもしてみむとて、するなり。日本ダービーも終わり、函館競馬が開幕して夏競馬本番も間近な今、今年の前半を振り返って書いてみたいと思います。

〈1月9日(日)中京競馬場にて〉

メインのシンザン記念(GⅢ)はマテンロウオリオンが内から抜け出して勝った。騎乗したのは横山典弘騎手。昨年は重賞勝ちがなかったが、息子2人の活躍に刺激を受けたのか、今年は正月から気合が入っているようだ。すごい親子だと思う。息子の横山武史騎手は2021年にGⅠを5勝し、その兄である横山和生騎手も、同年は自己最多の79勝をあげる大ブレークだった。

それに比べて我が息子は、休日といえば寝ているとき以外は閉じこもってオンラインゲームばかりしている。新型コロナウイルス禍とはいえ、いい若い者がそれでいいのかと言うと「家にいればコロナに感染はしないよ」とうそぶく始末。しかし、親父(おやじ)の私も下手な馬券を買っては「また狙った馬が4着だった」と愚痴ってばかり。この親にしてこの息子なのか、と思ってしまう。

〈4月16日(土)十三駅にて〉

阪神競馬場からの帰りに駅構内にある電飾看板が目に入った。2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のものである。見ると、EXPO2025は4月13日に幕を開ける。もうあと3年を切ったのだ。3年後の桜花賞の頃に始まるというわけだ。

スタンド建て替えなどの工事のため京都競馬場は現在、開催を休止しているが、いよいよ23年4月に再開され、天皇賞・春の舞台も京都に戻る。そして2025年には京都競馬場が開設100周年を迎える。

3年後はコロナはもう収束していると期待したい。桜花賞や天皇賞・春を見て、翌日は万博会場に向かうファンもいることだろう。ちなみに大阪は新婚生活を始めた土地で、くしくも4月13日は結婚記念日である。3年後はカミさんを連れて競馬場と万博へ行ってみようかと思った。

〈5月27日(金)地下鉄車内にて〉

帰宅途中、地下鉄車内のモニターに日本中央競馬会(JRA)のコマーシャルが放映されている。いよいよ日本ダービーが2日後に迫った。しかし、車内で夕刊紙の競馬欄や競馬専門紙を見ている人はいない。座って寝ている人、隣の人と話している人、そしてスマートフォンを見ている人だけである。

十数年前なら日本ダービーや有馬記念を前にした金曜日には、競馬専門紙を手にした人がいたものだ。熱心に読んでいる人を見て「ご同輩、何を狙いますか?」と心の中でつぶやいたものだったが、スマホの出現によってその光景は見られなくなった。今やネットがつながれば、この地下鉄の車内でも馬券は買えるわけで、JRAの売り上げは好調である。便利なのは結構だが、昔を知る人間としては少し寂しい気がする。わざとバッグから競馬専門紙を取り出して広げてみた。スマホもいいけど馬券検討するならこれだよ、とちょっと意地になって。

(ラジオNIKKEIアナウンサー 小林雅巳)

各アナウンサーが出演、ラジオNIKKEIの競馬番組はこちらでチェック! http://www.radionikkei.jp/keibaradio2/

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