ホンダ、来季の光明見えた3勝目 F1アブダビGP

自動車のF1シリーズ最終第17戦、アブダビ・グランプリ(GP)は13日、ヤス・マリーナ・サーキットで決勝が行われ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン(オランダ)が序盤からリードを広げ、今季2勝目、通算10勝目を挙げた。ホンダ勢としては今季3勝目だった。
完勝だった。フェルスタッペンは予選で今季初のポールポジションを獲得し、決勝のレースでも常にメルセデスを上回る速さを見せつけた。すでに7度目の総合優勝を果たし、この日も3位に入ったルイス・ハミルトン(英国)が「すごく速くて追いつけなかった」と感心するほどだった。
7月の開幕からメルセデスの強さに圧倒されてきた。冬のテストで手応えをつかんだものの、新型コロナウイルス感染拡大で開幕が延期されている間にライバルとの差が広がった。リモートで記者会見したホンダの山本雅史マネージングディレクターは「開幕時、メルセデスは2ステップくらい上にいた」。

しかも開幕が大幅に遅れたことで、連戦続きの過密日程に。改良するために割ける時間は少ない。「日本から来ているエンジニアは、ほとんどが一度も帰国せず」(山本氏)にライバルとの差を縮めるべくパワーユニット(PU)改良に奮闘した。チームも車体の新たなパーツを導入するなど地道な努力を続けてきた。
それが最終戦でようやく実を結んだ。田辺豊治テクニカルディレクターは総合力ではメルセデスがまだ上にいると認めつつ、「このサーキットではパフォーマンスで上回れた。かなり近づいた」と手応えを口にした。
2021年限りでのF1参戦終了を表明しているホンダにとって勝負の1年に向け、「あすから(来季に向けた)開発を進めたい」と田辺氏。来季開幕戦のオーストリアGP(3月21日決勝)に向けて、集大成となるPU開発に集中するつもりだ。
(馬場到)