大谷が米球宴で二刀流 先発し勝利投手、2打数無安打

米大リーグのオールスター戦が13日(日本時間14日)、コロラド州デンバーのクアーズ・フィールドで行われ、メジャー4年目で初出場したエンゼルスの大谷翔平はア・リーグの先発投手と1番・指名打者(DH)を務めた。1933年初開催の米球宴で投打同時の先発出場を果たしたのは史上初。
2年ぶりの球宴は大谷で幕を開けた。プレーボール早々、先頭打者で打席に立つと、豪腕シャーザーに気後れせずにバットを振る。初球ファウルの後、高めの速球に詰まり、二ゴロに倒れた。
160キロ台を連発
その裏、先発投手として立ったマウンド。若きスターの1番タティス(パドレス)に甘い変化球を強振されたが、芯を外れた打球は平凡な左飛に。マンシー(ドジャース)を二ゴロに打ち取った後、ハイライトはアレナド(カージナルス)との対決だ。昨季まで地元のロッキーズでプレーしていた人気者に、1ボール2ストライクから100マイル(約161キロ)を連発した後、最後は落ちる球で遊ゴロに。時折顔を出す制球難もなく、3人で大役を終えた。

マウンドを降りた後、三回1死無走者の第2打席では初球を打って一ゴロ。五回に代打を送られた。打者では2打数無安打に終わったが、試合はア・リーグが5-2で勝って1回無失点の大谷が勝利投手に。「みんなフレンドリーに話しかけてくれた。怖いのかなと思っていた人もいい人ばかり。楽しかった」。メジャー4年目で初めてのお祭りを満喫した。
相手先発のシャーザー「信じられない身体能力」
期待された一発こそ出なかったが、投打同時出場という史上初の偉業が色あせることはない。相手先発のシャーザーは「投手としてだけでも体への負担は大きい。それをやりながら野手としても活躍できるのは信じられない身体能力だ」と感嘆する。28本塁打をかっ飛ばしてクタクタになったホームラン競争の翌日、いつもの笑顔で100マイルを投げるのは、常識では考えられない離れ業だ。
今季メジャー単独トップの33本塁打を放っている大谷は、先発出場野手を決めるファン投票でア・リーグのDH部門1位に。その後、4勝(1敗)を挙げている先発投手部門でも選手間投票で選ばれた。
日本ハムの栗山監督は「バッター大谷かピッチャー大谷のどちらかを殺すって野球界にとってダメでしょ。消せる人がいるなら、大谷本人か、 野球の神様しかいない」と話したことがある。今回の球宴では、大谷のためにDH制を解除しなくてもいいという特別ルールが採用された。野球の神様も喜んでいるだろう。
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