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復帰遅れる八村 大事なのは万全な状態に戻すこと

スポーツライター 杉浦大介

米プロバスケットボールNBAのワシントン・ウィザーズに所属する八村塁にとって、2021~22年シーズンはさらなる飛躍の年となるはずだった。

過去2シーズン、ウィザーズの先発メンバーの一人として貢献を続けた八村は、今夏、東京五輪でも日本代表のエースとして活躍。そこで得たものを今季の、そして今後のバスケットボール人生にどういかしていくかが注目された。

しかし――。今季開幕からもう1カ月半が経ったが、八村はまだ1試合も出場していない。9月27日、NBA の各チームの間でほぼ一斉に催されたメディアデイを個人的な事情を理由に欠席。トレーニングキャンプ、プレシーズン戦(オープン戦)でも姿を現さなかった。

10月10日、八村がウィザーズの本拠地であるワシントンDCに到着したことを現地メディアが報じ、以降は個人練習を進めているという。ただ、試合出場はおろか、まだ練習場ですらも公の場に一度も姿を見せていない。

「(八村は)引き続き、チームの練習施設でトレーニングを行っている。先日もチーム練習の時間帯にウエートトレーニングをやっていた。まだ(合流の)見通しは立っていない。まずコンディションを万全にすることが第一。コミュニケーションは常にとっている」

11月11日、今季からウィザーズの指揮を執るウェス・アンセルド・ジュニア新ヘッドコーチ(HC =監督)は八村の現状をそう説明していた。

この直前の8日、米スポーツウェブサイトThe Athleticの記者が「八村は2週間以内にもチームに完全合流のもよう」と伝え、実戦への登場も間近と思われた。ただ、アンセルドHCの言葉を聞く限り、実際にゲームに出場するまでにはまだかなりの時間がかかりそうな雰囲気だ。

ここまで遅れたのであれば、もうなおさら焦るべきではないのだろう。八村が姿を現さない理由は、〝個人的な事情〟としか発表されていない。ネット上では情報通の話などが飛び交っているが、本人、あるいは本人に近い人間が説明するまで、必要以上に詮索すべきでもあるまい。

今の八村が、バスケットボール選手というだけでなく、一人の人間として何か重要なことに対処しているのは容易に想像できる。だとすればもちろん時間が与えられるべきであり、アンセルドHCも繰り返しこう述べている。

「じっくりと様子を見ていきたい。彼が万全なときに復帰すればいいと思っている。最も大事なことは復帰に向けて時間をかけることだ」

昨季の主軸だったラッセル・ウェストブルックがオフにトレードされ、新体制で再出発を切った2021~22シーズンのウィザーズ。序盤戦は攻守が噛み合い、12日現在、8勝3敗でイースタン・カンファレンス1位とリーグ最大級のサプライズチームとなっている。これまで層が薄かったFWにもカイル・クーズマ、ダビス・ベルターンス、ケンテイビアス・コールドウェル・ポープ、デニ・アブディヤといった人材が揃い、復帰後も八村のスタメンの座はもう安泰ではあるまい。

ただ、それも大きな問題ではないのだろう。繰り返すが、今、何よりも大事なのは、八村が心身両面でできる限りのコンディションを取り戻すこと。それさえできれば、多少時間がかかっても、遅れを取り戻すことは可能になる。予想外のスタートとなった八村の2020~21シーズンが、徐々に、少しずつでも良い方向に進んでいくことを願いたいところだ

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