/

J1勢出陣、15日からACL1次リーグ 過密日程を越えろ

サッカージャーナリスト 大住良之

サッカーのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の1次リーグ東地区が15日からスタートする。日本からは川崎フロンターレ、浦和レッズ、横浜F・マリノス、そしてヴィッセル神戸のJリーグ(J1)勢4クラブが出場する。

3月15日に行われたプレーオフで、神戸がメルボルン・ビクトリー(オーストラリア)を延長の末4-3で下し、昨年に続き4クラブの枠を得た日本。昨年は4クラブ中3クラブが決勝トーナメント(16強)進出を果たしたが、今回はどうなるか。

中2日で6試合の集中開催

本来ならホーム・アンド・アウェーがこの大会の基本方式だが、新型コロナウイルス禍の影響で一昨年の大会から3年連続して1次リーグが集中開催方式となった。浦和の入ったF組と神戸のいるJ組がタイのブリラムで、川崎が入ったI組がマレーシアのジョホールバルで、そして横浜FMが入るH組はベトナムのホーチミンでの開催となる。ちなみに、日本勢がいないG組はタイのパトゥムターニーが舞台となる。各組1位と、2位のうち成績上位3チームが決勝トーナメントに進む。

4チームの2回戦総当たりだから1チームは6試合。これを完全中2日、17日間でこなさなければならない。この日程こそ、過去2年間に続き、最大の「敵」だ。

昨年の天皇杯優勝で出場権をつかんだ浦和は、ライオン・シティー・セーラーズ(シンガポール)、山東泰山(中国)、大邱FC(韓国)と対戦する。ライオン・シティーは以前は警察のクラブだったが、2020年に富豪に買収され、外国人のスターを意欲的に補強して国際的な力をつけた。韓国代表の長身FW金信煜(キム・シヌク)が不気味な存在だ。山東泰山は若手主体のメンバーで参加する予定で、浦和としては必ず勝たなければならない。やはり最大の難関は大邱FCか。21日、24日の「連戦」を、浦和は互角以上の成績で乗り切ることができるか。

浦和はJ1開幕前の「スーパーカップ」で川崎に2-0で快勝したが、J1ではすでに退場者3人を出して勝ち点を落としている。故障で出遅れていたFWユンカーの得点力が戻らないと、どの試合も苦しむかもしれない。

横浜FMと川崎、韓国強豪と同組

横浜FMがはいるH組のライバルは、ホアンアイン・ザライ(ベトナム)、全北現代(韓国)、シドニーFC(豪州)の3チーム。ホアンアインはベトナム中部のプレイク市のクラブ。今回は400キロ近く南に離れたホーチミン市で戦う。かつて大宮に在籍した韓国人DF金東秀(キム・ドンス)がいる。元オランダ代表のFWナルシンが攻撃をけん引するシドニーFCも強豪だが、最大のライバルは全北現代。ACL優勝2回を誇る強豪だ。

横浜FMは今季、FW前田大然やMF扇原貴宏、DFチアゴ・マルチンスなどの中心選手を移籍で失ったが、MF藤田譲瑠チマ、山根陸、DF角田涼太朗ら若い力が台頭し、昨年半ばに加入したFW西村拓真が新エースに台頭した。センターバックの控えに不安はあるが、「ターンオーバー」しても戦力が落ちない層の厚さは今大会出場の日本勢では随一だ。

川崎と同じI組に入るのは、全北現代と同様にACL優勝2回の蔚山現代(韓国)、広州FC(中国)、そして「ホームチーム」のジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)。蔚山現代では今季横浜FMから移籍したMF天野純が早くも4ゴールを挙げてリーグ首位のチームをけん引している。広州はF組の山東泰山と同様、若手でこの大会に臨む見込み。より注意を要するのがマレーシアでリーグ8連覇という充実した戦力を誇るジョホールかもしれない。

川崎はマレーシアへ出発する前の時点でJ1首位。しかし昨年までの破壊力はなく、どの試合も接戦を余儀なくされている。力が落ちているわけではない。ただJ1ではスタイルを熟知され、個々の選手の特徴を把握され尽くしていることが大きい。逆に言えば、ACLでは良さをフルに発揮して破壊的な攻撃力がよみがえるかもしれない。

神戸は上海辞退で三つどもえに

そして神戸が入るJ組では、コロナ禍で上海市全域が「ロックダウン」状況にあるなか、11日に上海海港(中国)が辞退を表明し、出場は3チームとなった。残るは傑志(香港)とチェンライ・ユナイテッド(タイ)。傑志は以前のACLで川崎に連勝したことがあり、現在はモンテネグロ代表FWダムヤノビッチを擁して力を上げている。チェンライはタイ最北部を本拠とするが、今回はタイ東部のブリラムを舞台に戦う。千葉のU-18出身で、世界の6カ国を渡り歩き、Jリーグでは町田と鳥栖でプレーしたことのあるMF加藤恒平がボランチとしてプレーする。

神戸はJ1で10戦勝利なしの17位。三浦淳寛監督が解任され、後任のロティーナ監督が着任したばかり。それだけに、16日に予定されていた初戦がなくなり、19日の傑志戦までしっかりとトレーニングする時間が取れたのは「天佑(てんゆう)」のような出来事だ。MFイニエスタを軸に、J1だけでなくACLで優勝してもおかしくない陣容を抱えているだけに、このACLを浮上のきっかけにしたいところだ。

1戦1戦しっかり準備して戦うことができる大会であれば、日本の4チームはすべて首位で各グループを突破する力は備えている。しかし「中2日で6試合」という過密日程のなか、思いがけない「シナリオ」が展開されていくかもしれない。日本の出場4チームはすでに現地に入り、J1とはまったく違う戦いへの準備を開始している。まず初戦に必勝態勢で臨み、選手を入れ替えながら最後までコンディションを保って6試合を戦い抜き、18年の鹿島アントラーズ以来、日本勢として5回目のACL優勝に向かって前進してほしい。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン