/

諦めない心が生んだ逆転劇 F1ホンダ悲願のタイトル奪還

(更新)
think!多様な観点からニュースを考える
自動車のF1シリーズ最終第22戦、アブダビ・グランプリ(GP)は12日、アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで決勝が行われ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン(オランダ)が逆転で今季10勝目、通算20勝目をあげ、ドライバー部門で初の年間総合王者に輝いた。今季限りでF1活動を終了するホンダはマクラーレンと組んだ1991年のアイルトン・セナ(ブラジル)以来、30年ぶりとなる同部門のタイトルを手にした。
アルファタウリ・ホンダの角田裕毅が自己最高の4位に入り、同僚のピエール・ガスリー(フランス)は5位。メルセデスのルイス・ハミルトン(英国)が2位でメルセデスは製造者部門で8連覇を果たした。

幕開けは最悪だった。焦りもあったのか、ポールポジションのフェルスタッペンはスタートに失敗。ハミルトンに先行を許してしまう。2次予選でのミスもあり、フェルスタッペンはライバルより劣化が早い柔らかいタイヤをはいていた。序盤で差を広げ、早めのタイヤ交換で主導権を握る。そんなレースプランは早々に崩壊した。

序盤は食らいつけたものの、周回を重ねるにつれてライバルとの差は広がっていく。それでもチームメートのセルヒオ・ペレス(メキシコ)がタイヤ交換を遅らせてハミルトンを押さえ込んだり、中盤に起きた事故によるバーチャル・セーフティーカー(全区間減速)の際にタイヤ交換するなど、あらゆる手を尽くして追いかけた。

しかし、残り5周で2人の差は10秒以上。さすがにこの時にはホンダの田辺豊治テクニカルディレクターも「このペースでは最終ラップで(追いつくのは)難しいかもしれない」との考えがよぎったという。ところが、ここでウィリアムズ・メルセデスの1台がコーナーでクラッシュ。セーフティーカーが導入された。

残り周回を考えれば、セーフティーカー先導でレース終了も十分に考えられた。だがフェルスタッペンは迷わず、ピットに入りタイヤを交換。最後のチャンスにかけた。そして勝利の女神はほほ笑んだ。最終ラップでレースは再開。使い古したタイヤだったハミルトンにあらがえるすべは残っていない。一気に抜き去り、そのままチェッカーを駆け抜けた。

「最後のラップでチャンスがきた。信じられない」とフェルスタッペン。運を味方につけたとはいえ、チーム一丸となって挑戦し続けたからこその勝利といえる。田辺氏も「自分たちの技術を信じて勝つために何をすればいいのか。(重要なのは)勝つんだ(という思い)。その気持ちを持って勝ちにこだわり続けた」と感慨深げ。

諦めない心が最後の最後で実を結び、30年ぶりの栄冠をたぐり寄せた。

(馬場到)

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

  • この投稿は現在非表示に設定されています

    (更新)
    (0/300)
(0/300)
投稿内容をご確認ください
投稿チェック項目誤字脱字がないかご確認ください
投稿チェック項目トラブル防止のため、記事で紹介している企業や人物と個人的つながりや利害関係がある場合はその旨をお書き添えください
投稿チェック項目URLを投稿文中に入力する場合は、URLの末尾にスペースか改行を入れてください
詳細は日経のコメントガイドラインをご参照ください

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン