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「チームの部品」は卒業 個を極め4年後も欧州でプレー

「40歳のときにも、ヨーロッパでプレーしている」

これは4月16日に36歳の誕生日を迎える、今の僕の目標だ。

プロサッカー選手は年齢を重ねると「先が見えてきた」という感覚に陥る。引退までの残り時間が少ないと考えるのは、ごく自然なことだと思う。僕もそうだった。

けれど、スペイン2部リーグのFCカルタヘナで40歳のルベン・カストロというFWと同僚になったことで、考え方に変化が生まれた。

カナリア諸島生まれのカストロは地元のラス・パルマスで2部リーグ得点王になり、1部のベティス時代にはコンスタントにシーズン2桁得点をマークしたストライカーだ。今もエースの彼を見て、「技術を磨き、彼のように自分の道、スタイルを極めれば、まだ生き残れる」と思うようになった。

それは今まで僕が選んできた生存術とは別のやり方になる。

僕はドイツでもイングランドでも、チーム内で居場所を得るためにチームに必要なパーツとしてのプレーを選んできた。そうすることで他の選手にはない働きができたし、ポジションも得られた。それは当時の僕にとっての最適解でもあった。

スペインでも自分がのし上がってきたスタイルで挑戦した。しかし、今までのやり方で選ぶプレーは、ここスペインでは誰にでもできることで、それで埋没することになってしまった。

2部リーグの選手たちとレベルの差はほとんど感じないし、逆に自分の方ができると思うことも少なくないけれど、チーム内で居場所が手に入らない。その理由を考えたとき、「もっと個の能力を突き詰めるべきだ」という結論に達した。

チームに合わせるプレーじゃなくて、自分が本当にやりたいプレーを選択すること。ボールタッチをはじめとする基本技術を極めること。一瞬一瞬、自分がどう動くべきかという決断の中身を見直すことにも今はフォーカスしている。これはきっと、ヨーロッパや南米の外国人選手たちと同じようなメンタリティーなんだと思う。

今までは試合に出続けるため、生き残るためにサッカー人生を歩んできた。でも今は、また新しいサッカー人生を歩き始めたような感覚がある。

そんな僕には、すごく高い場所に数年後の目標を掲げることが重要だ。目の前の目標より、遠い先の目標へ向かう方が僕は頑張れる。

2018年のワールドカップ(W杯)ロシア大会を終えた後は4年後のカタール大会を目標に掲げた。そのカタールで日本はドイツ、スペインという僕がプレーしたことがある国と同じ組で1次リーグを戦うことになった。不思議な縁を感じるけれど、今現在、僕と日本代表との距離は遠い。

半年後のW杯を諦めたわけじゃないが、今は26年のW杯を目指したいという気持ちが芽生えている。

(カルタヘナ所属)

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満身創意(岡崎慎司)

サッカー元日本代表、岡崎慎司選手の連載です。FCカルタヘナでのこと、日本代表への思い、サッカー選手として日々感じていることを綴ったコラムです。

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