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伊藤洋輝、遅れてやってきた大型DFの逸材

出番です! 森保J、W杯まで5カ月

GK陣に交じっても見劣りしない身長186センチの痩身は、サッカー日本代表でもひときわ目立つ。ボールを蹴らせると、さらに目を引く。ほれぼれする矢のような弾道が、ピッチの端から端へ飛ぶ。23歳のDF伊藤洋輝(シュツットガルト)は6月の代表戦シリーズでフル代表に初招集、3試合にフル出場した。

犬を走らせて円盤遊具をキャッチさせるがごとく、左足から放つボールで前方のFWや対角に離れた味方を生き生きと走らせる。「左足でボールを持ったときの組み立て、ゴールに直結するパス。それを勝利に生かせれば」と自らの武器を心得ている。

左利きが左SBに入るメリットは大きい。後方のGKから左周りでボールをリレーしながら前進させる際、中継するのが左利きの方が滞りなくつながりやすい。伊藤はロングレンジのパスも苦にせず、左端から右端へ一気のサイドチェンジでダイナミズムももたらせる。攻撃参加すれば、左利きならではの鋭いクロスを送ってみせる。

磐田の育成組織のころから注目され、アンダー世代で代表を経験し、2019年の20歳以下(U-20)ワールドカップ(W杯)にもボランチとして出場。ただしプロ1、2年目は苦しんだ。芽が出てきたのはJ2での磐田時代。DFとして足場を得て、やがてドイツに渡った。

「球際の強さ、フィジカル面、全体的に伸びた。自信のあったフィードもある程度通用したし、体の強さやゲーム展開の速さなど、日本とは差のある状況に適応できたのが成長したところ」。大きな器はレベルの高い環境においてこそ、持てる素質を余すことなく伸ばせるのかもしれない。

「(相手FWとの)背後のスピード勝負も自信がついた」と本人が語るように、大型DFにありがちな鈍さが伊藤にはない。守るべき急所を埋めるスピード、相手に詰め寄る一歩の鋭さは、ドイツ1部で出場し続けるなかで鍛えられている。

クラブでは3バックの一角を務め、代表ではCBでも試された。この汎用性に加え、最終ラインに高さを加えられることも捨てがたい。W杯ともなれば世界基準のパワープレーをはね返す必要性に迫られるし、セットプレーの攻撃でもターゲットになれる。

日本の左SBは長らく長友(FC東京)が務め、この1年ほどで中山(ズウォレ)が割って入ってきた。たかだか3試合出場の新参に多くを期待するのは時期尚早で、伊藤が本格化するのは4年後のW杯かもしれない。それでも、先物買いでカタール行きの一団に加えたくなるだけのものはある。メンバー固定、頭打ちしているなどと何かとなじられがちな森保ジャパンに吹き込んだ、新たな風である。

新参、古株、当落線上からはい上がろうとする者たち。5カ月後の勝負の舞台へ、おのおのが自らの「色」を持ち寄りしのぎを削っている。そんな森保ジャパンのいまを映す3選手を紹介する。

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