ワリエワ、禁止薬物陽性か ロシア有力紙報道

【モスクワ、北京=共同】ロシア有力紙コメルサント(電子版)は9日、複数の消息筋の話として、北京冬季五輪フィギュアスケート団体で金メダルだったロシア・オリンピック委員会(ROC)の15歳の女子選手、カミラ・ワリエワがドーピング検査で陽性反応を示したと報じた。
8日に開催予定だったメダル授与式が急きょ中止されていた。大会前に提出したサンプルから禁止薬物トリメタジジンが検出されたという。大会の顔でもあるワリエワは9日の練習を欠席したが、個人種目に向けて10日は練習に参加した。
ROCが失格になった場合、初の表彰台となる3位に入った日本は銀メダルに繰り上がる可能性が出てくる。2位は米国、4位はカナダだった。
ロシア紙RBK(電子版)は、検出されたトリメタジジンは少量だと報じた。トリメタジジンは心臓の病気の治療などに使われる。2018年の平昌五輪では、トリメタジジンに陽性反応を示したとして「ロシアからの五輪選手(OAR)」として出場したボブスレー女子のナジェジダ・セルゲエワが失格処分となった。
世界反ドーピング機関(WADA)の規定によると、16歳に達していない選手は保護対象者。制裁は柔軟な対応がとられるとしている。コメルサントは、仮に禁止薬物の検出が確認された場合でも、失格などの厳しい処分を免れる可能性があるとの見方を伝えている。
タス通信によると、ロシア・フィギュアスケート連盟は9日「公式発表を待ちたい」とコメント。ロシア・スポーツ省も「コメントするのは時期尚早だ」としている。
この問題を巡り、国際オリンピック委員会(IOC)のアダムス広報部長は9日の定例会見で「法的な協議が国際スケート連盟と必要になった。新たに出てきた問題であり、明確になった時点で情報提供する」と述べた。7日まで実施されたフィギュア団体で日本は初の表彰台となる銅メダルを獲得。日本オリンピック委員会(JOC)によると、日本の全8選手がメダル授与式に出席予定だったが、具体的な理由の説明もなく直前で取りやめとなった。
組織的なドーピング問題の制裁を受けたロシアは、潔白を証明した選手が個人資格で「ROC」として出場している。
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