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態勢立て直し図る渋野ら4人、2021年はリベンジの年に

編集委員 吉良幸雄

国内ツアーは男女とも2020年と21年のシーズンが統合されている。昨年14試合が行われた女子は、今年は3月の開幕戦から37試合を予定。新型コロナウイルスの感染拡大で先行き不透明だが、全ての大会が無事開催されれば、20~21年シーズンは計51試合で、まだ7割以上が残っている。ルーキーの笹生優花(19)、古江彩佳(20)や原英莉花(21)が先頭集団で走る賞金女王レースはまだ第1コーナーを過ぎたばかり。20年は1勝もできず出遅れた選手にも、オフに態勢を立て直してリベンジ、逆転女王の可能性は十分ある。

渋野は昨年の国内終盤戦で調子を上げ、12月の全米女子で海外メジャー2冠にあと一歩まで迫った=共同

ツアーきっての人気者、渋野日向子(22)は昨年の国内終盤戦で大王製紙エリエール5位、ツアー選手権リコー杯3位と調子を上げ、12月の全米女子オープンでは、19年全英女子オープンに次ぐ海外メジャー2冠にあと一歩と迫った。単独首位でスタートした最終日は厳しい寒気のなか、3打スコアを落とし、優勝した金阿林(韓国)と2打差の4位に敗れ悔しさに目を潤ませたが、改めて大舞台での勝負強さ、潜在能力の高さを世界にアピールしたといえよう。

シーズン序盤戦の絶不調から抜け出し、しぼんでいた自信も回復した。復調にはショットやパットなど技術はもちろん、精神面も大きい。「苦しんだおかげで、いろんなことに気づけた。19年より価値のある1年。調子が悪くなっても(気持ちを)ポジティブにすることで1、2打違ってくる」。国内戦ではアプローチやバンカーショットで苦戦していたが、全米女子オープンでは見違えるように小技がさえた。最終日も1パットパーが6回。手応えをつかんだはずで、継続課題としてショートゲームを磨き続ける。「新しい自分のゴルフを見つけていきたい」という渋野にとって、21年に目指すのは米ツアー本格参戦への道筋作り。同ツアーで優勝するか、最終予選会で上位に入ればメンバー入りの目標はかなう。世界ランクで日本勢2番手につけ出場が有力な東京五輪も、あくまで米ツアー参戦への一過程だととらえている。

20年はトップ5入り1回の鈴木。オフに心と体を休め再起動を図る=共同

19年に年間7勝をマーク、2度目の賞金女王に輝いた鈴木愛(26)の昨年はアース・モンダミン杯2位が最高で、賞金ランクは9位(3677万円)だ。最終戦のリコー杯も初日3位と好発進しながら10位で結局、トップ5入りも開幕戦の1回だけ。「ひと言でいうと、つまんなかった1年。楽しい思い出は一つもない」と顔をしかめた。「体もいいしゴルフの調子は悪くないのに、結果が出ない。ストレスがたまり、しんどかった」。その言葉を裏付けるように、得意のグリーン上では、平均パット数1.7557で1位。なのに、いくら練習しても成績に結びつかず「途中でゴルフをやりたくないと思った」という。全米女子オープンは出場を見送った。12月から2月まで3カ月間のオフに心と体を休め、女王タイトル維持に向け、再起動を図る。

賞金ランキング37位と精彩を欠いた勝は飛距離と正確性のバランスのいいスイングへと微調整を続ける=共同

原英や渋野ら1998年度生まれの先陣を切って15歳でツアー優勝、通算4勝の勝みなみ(22)も昨年は未勝利に終わった。10月末からの樋口久子・三菱電機レディースでは新人・西村優菜(20)に6打差をひっくり返され、2位に敗れた。トップ10入りはほかにエリエール女子の6位があるが、賞金ランク37位(1634万円)と精彩を欠いた。精力的に筋力トレーニングに取り組んだことで肩周りなど上半身もたくましくなり、「飛ばし屋」に変身。「コロナで(試合中止が続き)体づくりをメインに。疲れは全然違うし、どんどん飛距離が伸びた」。半面、フェアウエーキープ率は前年の59%から40%(82位)、パーオン率も69%から59%(77位)へとショットの精度がダウン。「飛距離が出てるぶん曲がる」。ただ、振りを抑えれば、飛距離は落ちるが安定することもわかった。「1年間戦っていくうえでは楽かな」。8月から気づいたことをゴルフノートに書き留めているそうで、オフは試行錯誤しながら、飛距離と正確性のバランスのいいスイングへと微調整を続けていく。

米ツアー挑戦2年目となる河本は「技術の底上げと自分のゴルフの確立」を掲げる=共同

同い年の渋野に先駆け、米ツアーの一員となった河本結(22)にとって、昨年は「ものすごく長い1年」となった。1月の米ツアー初戦を8位と順調にスタートしながらその後は苦戦、計13試合で予選落ちが6回。国内でも6戦して17位がベストで「ものすごく悔しい」と唇をかんだ。米ツアーでは移動距離の長さ、言葉、初めてのコースへの対応など、ルーキーイヤーは戸惑うことばかり。スイングは崩れ、結果を出せないことで自信も喪失、「(考えることが多すぎて)キャパシティーを超え、メンタルコントロールができなかった」と振り返る。ただ、苦い経験を無駄にしたくはない。オフのトレーニング、練習でリセット。米ツアー2年目は「技術を底上げして、自分のゴルフを確立したい」と前を向く。

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