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ゲームでもリアル追求 eスポーツプレーヤー・ジェイ㊥

ジェイは今年1月に行われたeJリーグに川崎代表として出場し、優勝を果たした©KAWASAKI FRONTALE ©SCARZ

憧れたバルセロナのパスサッカーをイメージ

「基本的に頭の中は8割くらいがリアルサッカーをやっている」。サッカーゲーム「FIFA」のプロプレーヤー、ジェイ(22、本名田野入潤、SCARZ)にとって、ゲームをしているのはサッカーをしているのと同じ。自分が思い描くプレーを実現するため、日々コントローラーを握る。

ジェイのサッカー歴は4歳から高校2年生までと、「FIFA」のプロプレーヤーの中でも長い方だ。小学生時代にペップ・グアルディオラ監督が率いたバルセロナに憧れ、スペインの華麗なパスサッカーをイメージするようになった。

ジェイにとって、サッカーゲームをしていて気持ちのいい瞬間は現実離れしたスーパーシュートを決めたときではない。「パスで相手を引き付けて、空いたスペースを使うのが好き」。ゲームの自由度が増せば増すほど、ジェイのプレーは輝く。最新作「FIFA21」から導入された、ボールを持っていない選手を操作できる選手ロックは、思い通りのプレーを表現するためには欠かせない機能だ。

さえた操作技術、eJリーグ決勝で会心のゴール

今年1月に行われたeJリーグ。川崎代表で出場したジェイは、鹿島代表のウェブ・ナスリ(21、本名青木太一、鹿島アントラーズ)と決勝を戦った。得点を奪うためには、いかにしてゴール前の中央のスペースを攻略するかが大事になる。選手ロックしたセンターFWを一瞬外に向かわせて相手DFを食いつかせると、すぐにロックを解除。中に戻ってきたセンターFWにすかさず縦パスを入れ、体を反転させての決勝ゴールを決めた。「相手を惑わせて、一瞬の隙を突けた」。リアルサッカーのように周りの選手を使って攻撃の選択肢を増やすことで、相手に的を絞らせない。

守備の思考もリアル寄りだ。「チャレンジ&カバーが大前提」。誰かが球を奪いにいけば、誰かが背後のスペースのケアをする。SCARZの同僚ファントム(25、本名岡部駿)は「日本人の中で一番守備が堅い」と舌を巻く。

ただ、リアル要素を追求するだけではゲームの世界では勝ち抜けない。プロゲーマーとして、どういうプレーが強いのかという研究は欠かさない。定期的にアップデートが入って選手の動きが少しずつ修正される中、ファントムと練習試合をこなし、勝てるプレーを見つけては体に染み込ませている。

ゲームを純粋に楽しむことと、勝てるプレーに終始することの乖離(かいり)に息が詰まる時もある。ジェイのストレス発散はパスの強弱、方向など全てを自分でコントロールできる設定で試合をすること。リアルの追求はとどまらない。=敬称略

(田原悠太郎)

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