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宮里優作、ドライバーに自信 欧州再挑戦あきらめず

編集委員 吉良幸雄

「今年は結構いい感じで戦えるはず」と語る宮里優作

2021年の男子ゴルフツアーの日程に、異色の大会が新たに加わった。5月に開催されるジャパンプレーヤーズ選手権(6~9日、栃木・西那須野CC、賞金総額5000万円)は、初めてツアー選手会(時松隆光会長)が主催する。協賛会社のリシャールミルジャパン(川崎圭太社長)と選手会を橋渡ししたのが、高級時計メーカーの同社とスポンサー契約する宮里優作(40)だ。16~17年に選手会長を務めた男子ツアーの顔役は「選手は戦う場を欲している。いいプレーをしてトーナメントを盛り上げたい」と熱い口調で語る。

昨年の男子ツアーは新型コロナウイルス禍でわずか6試合にとどまり、17年賞金王にとっても厳しい1年だった。18年から2シーズンにわたり奮戦した欧州ツアーから主戦場を日本に戻したのだが、春先に推薦で欧州ツアー4試合に出場する予定だった。ところが新型コロナの世界的な感染拡大により試合は中止に。国内には緊急事態宣言が出され、身動きがとれなくなった。

「去年は圧倒的に練習量が少なかった。目先の(試合の)目標がないからモチベーションも上がらず、何となく一年が終わってしまった」。10月の日本オープン直前には腰痛を発症。パットの感覚を取り戻すのに時間もかかり、5試合中3試合で予選落ちした。

欧州ツアー参戦した2年間には悔いが残る。1年目にエースドライバーのヘッドが割れ、自分に合うクラブを探すのに試行錯誤。腰痛にも悩まされ、ドライバーショットは制御不能に陥った。「どこへ飛ぶかわからないときも。50ヤード右へ〝大ファウル〟を打ったり。あのときは厳しかった」

オマーンやカタール、サウジアラビアなど「中東のコースは米国っぽくて好きだったけれど、スコットランドやアイルランドのリンクスは大変」。天気はめまぐるしく変わり、中止になるのでは、と思うような猛烈な強風が吹いても試合は行われる。ドライバーに不安を抱えているから「曲がらない球を打つのが難しくて結構悩んだ」と振り返る。

2年目にシード権を失った宮里によると、欧州ツアーで結果を残すには、ティーショットの精度がものをいう。「フェアウエーは狭いし池やクリークがめちゃくちゃ多い。ドライバーショットの精度が米ツアーよりも大事。谷原(秀人)さんとも『やっぱり、そこだよね』と話していた。みんなドライバーがうまい」

欧州ツアー参戦に意欲を示す金谷拓実=AP

それを考えると参戦2年目の昨年、欧州ツアーでポイントランク38位に入り、最終戦まで進んだ川村昌弘(27)の活躍には賛辞を惜しまない。「川村はすごい。飛距離が伸びているのも戦えている一因。僕は全然かなわない。球を(自在に)曲げられるし」。同ツアー参戦に意欲を示す東北福祉大の後輩で、1月のドバイ・デザート・クラシックで9位と健闘した金谷拓実(22)についても、その背中を後押しする。「厳しい欧州ツアーでもまれると(成長には)大きい。上位で活躍すれば米ツアーにも行ける」

自身も欧州再挑戦をあきらめてはいない。昨年8月に替えたドライバーがぴったり合い、ティーショットの不安は消えた。「今なら、もうちょっと(欧州で)いけたのではと。ドライバーに自信が戻り、コースの見え方も違うと思う。心残りがあるし、もう一回、チャンスがあったら行ってみたい」

昨年から飛距離アップのためにヘッドスピードを上げる練習に取り組み始めた。「スイングプレーンは変わってないけれど、足をちょっと踏む感じで」。ショートゲームも手を使わず、フットワークでゴルフをするように。大会中止で余裕が生まれた時間を利用して、体づくりからやり直している。

今春に中学に進む長女、小学3年になる長男の2児の父親としては、昨年はポイントアップしたよう。「(欧州転戦で)空白の2年間を挽回。一緒にごはんをつくったり、勉強を見たりと子どもたちとのコミュニケーションが増え、ものすごく良かった」と笑う。

シーズンオフは自宅近くの練習場で球打ちし、愛知や三重県内のコースでラウンド練習をする毎日。先日は名古屋から大阪のトレーナーのもとへ4日間、泊まりがけで出かけトレーニングに汗をかいた。「今年の目標はケガをしないことが一番。そこさえクリアしたら、波はあるだろうけれど、結構いい感じで戦えるはず」

昨年の日本オープンでベストアマチュアに輝いた杉原大河(左)と河本力=共同

宮里がプロデビューした03年当時は20代選手は皆無に近かったそうだが、金谷をはじめ若手が出てきたのは「男子ツアーにとって明るい材料」。河本力や中島啓太(ともに日体大)、杉原大河(東北福祉大)ら有望なプロ予備軍も控える。「彼らが出てくるとガラッと変わるはず。飛距離は、パワーゲームの米ツアーや欧州ツアーへ行っても遜色ないと思う」

1月下旬に行われた時松選手会長、川崎リシャールミルジャパン社長とのオンライントークショーで、時松会長は「ジャパンプレーヤーズ選手権を大成功に導き、(リシャールミルの試合に続く)第2、第3の大会へと増やしていければ」と新規大会へ期待を込めた。同大会の優勝賞金は1000万円だが、優勝副賞として1760万円の同社時計が贈られる。ホストプロの宮里も「絶好調で試合に臨めるように」。プロ転向20年目へ、歴戦のベテランは牙を研いでいる。

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