フィギュア鍵山2位、宇野3位 羽生「穴にはまり」8位


五輪で無類の強さを見せつけてきた羽生にとって、異例の幕開けとなった。冒頭の4回転サルコー。踏みきりで氷に力が伝わらず1回転となり大幅な得点減。「ちょっと嫌われたなと。(冒頭のジャンプの)踏切直前に、他のスケーターの穴が存在していて、ちょうどはまってしまった」と振り返った。
並の選手ならずるずる引きずりかねないところだが、ここで持ち直せるのが王者のたくましさだろう。直後の4回転―3回転の2連続トーループは高さのある美しいジャンプ。3本目のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)もスピードに乗って成功させた。
中盤以降は「序奏とロンド・カプリチオーソ」の細かいピアノの調べに合わせてステップやスピンを流れるように決めていく。
演技を終えると、右手を高々と突き上げた。一瞬ほほ笑んだ後、険しい表情が浮かぶ。ジャンプでミスをした付近の氷を触り、得点を待つキスアンドクライへ向かった。

序盤の2連続トーループは高い出来栄え点を獲得。ステップや3度のスピンは全て最高のレベル4と評価された。0点となった冒頭のジャンプ失敗だけが悔やまれる。好調であればSPで110点も超える羽生にとって、95.15は厳しいスコアか。
「演技が終わるまでは気持ちは切れていなくて、今までのSPのなかでも全体的にいい演技だったなと思う」。さばさばとした口ぶりで、来るフリーへ意識を切り替えていた。

鍵山は初めての五輪の舞台で冒頭の4回転サルコーなどすべてのジャンプを成功。「ジャンプは完璧にできた。きょうは(100点満点としたら)98点くらいの点数をあげてもいいと思う」と喜ぶ。宇野は4回転―3回転の連続トーループでバランスを崩した以外はほぼノーミスでまとめた。「自己ベストが出たのは驚きだが、成功したジャンプには納得がいっている。団体戦が生きた個人戦のSPだった」と納得の表情だった。
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