大谷、初勝利ならず 「投手のちDH」で開幕
プロ野球広島から移籍したカブスの鈴木は本拠地シカゴでのブルワーズ戦に「6番・右翼」で先発してメジャーデビューし、第2打席で左前打を放つなど2打数1安打1得点、2四球1三振だった。チームの5-4の勝利に貢献した。パイレーツの筒香は敵地のカージナルス戦に「4番・一塁」で先発し、3打数2安打。チームは0-9で敗れた。パドレスのダルビッシュはダイヤモンドバックス戦で2年連続の開幕投手を担い、6回を無失点で勝敗は付かなかった。チームは2-4でサヨナラ負けした。
大リーグ移籍後では初の開幕投手と、1番打者での出場。昨季9勝、46本塁打と投打に大車輪の活躍でア・リーグ最優秀選手(MVP)に輝いた大谷が、エンゼルスの中心的存在に上り詰めたことを表すポジションで2022年シーズンを滑り出した。
いきなり160キロ ただし制球に苦しむ
一回、アストロズの1番アルテューベに投じた初球は99.8マイル(約160.6キロ)。いきなりの160キロ超えを見せ、最後は低めに決まるスプリットで見逃し三振に仕留めた。その後は安打と四球で2死一、二塁とされたが、5番グリエルは速球で押して凡飛に打ち取り、ピンチを脱した。
ただ、この日は変化球の制球に苦しんだ。スライダーは高めや、狙ったコースとは逆側に抜けることが多く、スプリットも引っかけて右打者の外角に外れたり、浮いたりすることがしばしば。三回2死二塁からはブレグマンに浮いたスプリットを痛打され、先制を許した。
この回から各打者の初球に投げることが増えたカーブを、四回は決め球にも使った。スライダーとスプリットへの不安からカーブの多投に切り替えたものの、球種の選択の幅が狭まると苦しい。五回、先頭打者に二塁打された後に2人を打ち取り、2安打されている2番ブラントリーを迎えたところで降板となった。

新ルールで打者でもフル回転
昨季までならここで「ショータイム」は終了だが、今季は違う。投手が降板後もDHで出場を続けられる、大谷のためといっていい新ルールが設けられた。早速これを使い、大谷は「投手」から「DH」へ。投手として臨んだ一回の第1打席は遊ゴロ、第2打席は三振に倒れ、DHで迎えた六回の第3打席は左腕バルデスの甘いカーブを打ち損じて遊飛。1-3の八回は一打同点の2死三塁から右翼へいい角度で飛球を打ち上げたが、惜しくもスタンドには届かなかった。
4回2/3を投げて被安打4、奪三振9、与四球1、1失点。打者では4打数無安打。納得のいく結果ではなかったろうが、エンゼルスでは初めて開幕から投打同時出場を果たした意義は大きい。投手降板後もDHとして出続ける措置は、大谷の打力をフルに生かすことにつながり、8年ぶりのプレーオフ進出を目指すチームにとって大きな武器になるだろう。