/

「Jリーグ化で成長を加速」 ベトナム・サイゴンFC会長

ベトナムのサッカークラブ、サイゴンFCがJリーグとの関係強化をアグレッシブに進めている。元日本代表の松井大輔ら日本人選手を相次ぎ獲得、元日本サッカー協会技術委員長の霜田正浩氏が監督に就任した。J2琉球にベトナム人選手を派遣する提携関係も構築。「Jリーグ化」でベトナムサッカーを成長させようとするビン会長にそのビジョンを聞いた。

サイゴンFCはビン会長のもとで日本選手獲得やJリーグクラブとの提携に力を入れる(同クラブ提供)

――日本選手・スタッフを意欲的に採用している。

「ベトナムサッカーの成長のスピードを上げたい。自前のアカデミーはあるが、その成果を待つのでは5~10年かかる。Jリーガーと一緒にプレーする経験を積ませることがベトナム代表のレベルアップになる。霜田氏に監督を託したのも、練習文化やプロセスにおいて日本基準を浸透させたいから」

「次なるステップ2はより多くのベトナム人選手をJリーグでプレーさせること。J2琉球との提携では年間2人、ベトナム人のトップ選手を送り込む。サイゴンFCとしては痛いが、目の前の成績は二の次。最優先は人材の育成だ。Jリーグに渡った彼らが文化や人格形成についても学び、ベトナム代表に還元してほしい。ただしJ1はレベルが高いので、まずはJ2やJ3で出場できるベトナム人選手を増やしたい。可能であればほかのJ3クラブとも同様の提携を結びたい。J1のFC東京とはクラブ運営で提携し、サイゴンFCにアカデミーをつくる計画を進めている。ベトナムの選手は勤勉でやる気もある。あと必要なのは、やるチャンスだ」

――日本と関係を深めることのメリットは。

「松井大輔を迎えた今季リーグ開幕戦は約1万4600枚のチケットが1日ほどで完売。昨季の開幕戦は約130枚で、今季は開幕1試合だけで1年分の売り上げをカバーしそうな勢いだ」

「琉球のホームゲームには、我々のスポンサーのサイゴン商業銀行の広告を出させてもらう。沖縄には約3000人、鹿児島には約6000人のベトナム人が暮らす。彼らが本国へ送金する際、安心して使いたがるのは自国の銀行。日本で認知を広めることのスポンサーメリットは大きい。沖縄の銀行のホーチミン支店、ベトナムの銀行の沖縄支店の立ち上げなど、サッカーを媒介にビジネスの交流へつなげたい」

「私は学業・仕事で23年ほど日本と関わってきた。信頼関係を学び、人格や人間性を育む文化が日本にあるのも知っている。ホーチミン市内では日本レストランが1番人気で、コロナ禍でも予約を取りづらいほど。ベトナムと日本は文化で似ている部分も多く親和性があり、マーケットとしてもポテンシャルがある」

(聞き手は岸名章友)

チャン・ホア・ビン 1975年ベトナム生まれ。ベトナム、オーストラリア、日本の大学で学びユニ・チャームに入社、花王に転職してマーケティング本部長などを歴任。米国やロシアでの事業を経て20年1月にサイゴンFC共同オーナーとなり、21年2月に会長兼最高経営責任者(CEO)に就任。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン