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久保建英、魔法の左足はいつ花開く

出番です! 森保J、W杯まで5カ月

久保建英(マジョルカ)はある種の焦りとともに、21歳を迎えたという。誕生日の2日前、6月2日のパラグアイとの親善試合。席次が2番手でも出番は与えられるはずが、先発に久保の名前はなかった。「自分の立ち位置(序列)が嫌でも見えてしまった」

小学生でスペインに渡り、バルセロナの下部組織で生き抜いた。当たり前のように育成年代では代表メンバーで、2017年の20歳以下(U-20)ワールドカップ(W杯)にも出場。FC東京でプロデビューしたのはその年の11月、16歳のとき。19年6月、18歳でフル代表デビューを果たし、満を持して欧州へ復帰した。移籍先は名門中の名門、レアル・マドリード。

以後、期限つき移籍で転々とする形ではあれ、欧州を主戦場として戦えている。原則24歳以下(U-24)による21年東京五輪でも、万能の左足で3ゴールの久保は4強入りしたチームの中心にいた。

このときまでにはこれを実現する、という行程表が自分のキャリアにあったとしたら。「締め切りみたいなものをある程度決めてきたなかで、いくつか遅れたりはしたけれど、予想の範囲でやれてきた。でも今回は……。今ごろは自分が(フル代表でも)スタメンで出ていなければという思いが去年ころからあったなかで」

去年、とはW杯アジア最終予選のアウェー・中国戦のころで、そこで久保は攻撃の統率者を任され、応えた。だが直後にケガをして代表から遠ざかることになる。「1度チャンスをもらい、このままいくかと思った矢先、ゼロからのスタートに。ちょっと計算が合わないな、って」。自分抜きでも機能し始める代表を、外から眺めた。

再スタートの6月シリーズ、練習から気合を発散する久保がいた。苦悩は隠せても、芯にある強気は隠せない。「ビッグゲームで自分の出来に満足いかなかったり、負けていたなと思ったりしたことはない」「南米(の強豪)、苦手でないので。相手が強いほど燃える」

フィジカルをもっと高めるべきか、と水を向けられても動じない。「(相手にとって)嫌らしいボールの持ち方をすることで、相手が足を出してきてファウルになる。現状でも(リーグ戦で)フィジカル勝負で正面から持っていかれたことはない」。欧州育ちの自分に確たる自信がなければ、こうは言えない。

一番の輝かしいキャリアを刻みつつある者が、最も成功に飢えている。トップレベルの競争が当たり前の環境で生きてきた久保の、生存への闘争本能がたくましく映る。ガーナ戦ではフル出場。足を痛めて交代を願い出ようとも考えたが「ここで代わったら、次はない」と自らにムチを打った。そこへ代表初ゴールも舞い込んだ。

「W杯はサプライズがあって当たり前。自分がいい意味のサプライズになれれば」。そうやってしおらしくするより、W杯メンバー入りの「締め切り」も逃しません、とギラギラしている方が久保らしい。

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