ホンダ勢、好機生かせず表彰台逃す F1サキールGP
自動車のF1シリーズ第16戦、サキール・グランプリ(GP)は6日、バーレーン国際サーキットで決勝が行われ、レーシングポイント・メルセデスのセルヒオ・ペレス(メキシコ)がF1参戦10年目で初優勝した。ホンダ勢は表彰台を逃し、レッドブルのアレクサンダー・アルボン(タイ)が6位、アルファタウリのダニール・クビアト(ロシア)は7位にとどまった。

「非常にフラストレーションのたまるレース」とリモートで記者会見したホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは嘆いた。スタート直後に優勝したペレスとフェラーリのシャルル・ルクレール(モナコ)が接触。それを避けようとしたレッドブルのマックス・フェルスタッペン(オランダ)はコースを外れ、そのまま壁に激突。あっけなくリタイアとなった。
「今回は戦える車だった」とフェルスタッペンは悔しがる。7度目の総合優勝を達成したルイス・ハミルトン(英国)は新型コロナウイルスの陽性判定のためこのGPを欠場。その中で予選のタイムもトップとわずか0・056秒差。今季2勝目のチャンスは十分だった。
この日、メルセデスはレース終盤のタイヤ交換の際に他人のタイヤを装着するという信じられないミスを犯し、8、9位に沈んだ。本来ならばホンダは2番手ドライバーのアルボンに期待したいが、「他チームに比べて予選、レースを通じてエースドライバーとの差が大きい」と田辺氏も認めるように、力不足は否めない。
残りはあと一戦。田辺氏は「今年の集大成。これまでのデータを見直し、来年につなげていきたい」と力を込める。来季にはこの日の前座で行われたF2で2位に入り、総合3位となったホンダの育成ドライバーで、レッドブルのジュニアチームに所属する角田裕毅(20)のアルファタウリ入りが有力視される。実現すればホンダ勢には2014年の小林可夢偉以来の日本人ドライバーが加わることになる。
(馬場到)