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「ここからはい上がってこそ」 新天地で心躍る日々

ウエスカでの岡崎㊧。契約満了後も欧州に新天地を求め続けた=共同

欧州の移籍市場が閉まる8月31日にスペイン2部のカルタヘナへの加入が決定した。僕自身、まだヨーロッパでやり残したことがある。もう一度はい上がり、自分の力を証明できる場所を与えてくれたクラブには感謝しかない。

昨季限りでウエスカとの契約を満了し、新天地を探していた。しかしコロナ禍の影響で予想以上にマーケットが冷え込み、移籍先探しは困難を極めた。

6月下旬に日本に帰国した僕は休むことなく、毎日トレーニングを行ってきた。フィジカルトレーニング以外は自分でメニューを決めて、約2カ月の自主練習を課した。いつ新しいクラブが決まってもいいように準備をしていたが、吉報は届かない。

日本での生活は当然居心地が良い。競争から離れた毎日は平和だが、やっぱり物足りない。自分のいる場所はここじゃない、慣れちゃいけないと強く思った。厳しい競争に打ち勝つことには何ものにも代えがたい刺激があるから、僕はヨーロッパにこだわるのだ。

8月に入ると欧州各国のリーグで新シーズンが開幕した。このままヨーロッパからのオファーがなければ、Jリーグ復帰も頭をよぎった。他に道がないのなら、仕方ないだろう。だけど、僕にはまだ、ヨーロッパでの挑戦を諦める覚悟ができない。年齢的にも一度この舞台を降りたら、二度とヨーロッパへは戻れないのだから。

「お前はここで終わるのか?」

苦しい状況に立たされると、僕はいつも自問自答する。ここからはい上がってこそ、選手として認められる。だから諦められない。

カルタヘナとの契約成立を知らされたとき、スイッチが入った。すでにシーズンがスタートしている新チームへの合流。最初は苦労するかもしれないけれど、悠長なことを言っている時間はない。リスクを負ってでも勝負する。

9月3日クラブハウスに到着すると、想像以上に歓迎をしてくれた。

「あしたの試合に出てもらうから、準備しておいてくれ」と言われる。「マジか?」と驚きながらも、やるしかない。

次の日、スタジアムへ行くと、試合出場は冗談だとわかった。僕は通常のトレーニングを終え、なんだか落ち着かない気分で試合開始を待つことになる。1-0で勝利した試合を見ながら、このチームで生き残るすべが次々と頭に浮かんできた。

「サッカーが楽しい!」

日本で過ごした2カ月の間に乾ききったものを満たすようにボールを蹴った。久しぶりのコンタクトプレーに心が躍る。再び競争に身を投じる幸せを感じながら。

僕はもう一度スペイン1部リーグの舞台に立てるチャンスを手にした。あとは自分次第だ。

(カルタヘナ所属)

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