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オリ33歳・安達、攻守で多彩 25年ぶりVへ打線に厚み

4番を除く8つの打順で先発起用されたオリックスの安達=共同

若手の進境著しいオリックスに、渋く光るベテランがいる。小技が巧みな万能内野手、打順は何番でもOKの安達了一だ。33歳、10年目。1996年以来のリーグ優勝を目指すチームを、ある時は引っ張り、またある時は後ろから支える。

いわゆる便利屋とは違う。安達は正真正銘のレギュラーだ。今季も遊撃手でスタートした。だが、中嶋聡監督の大胆な改革構想に沿って、さまざまな役をこなす立場になった。

中嶋構想による内野陣は二塁が高卒3年目の太田椋、遊撃は同2年目の紅林弘太郎だった。安達は6年目大城滉二とともに遊撃、三塁のバックアップ要員に位置づけられていた。

期待の若手は打撃で苦しみ、安達の出番になった。10年選手が便利屋もどきに扱われると、やる気を失う。だが、安達は若手育成のゆとりを首脳陣にもたらすと同時に、自らは淡々と中軸への復帰をうかがった。

中嶋監督はコンバートと猫の目打線形成で活性化をはかる。安達はそれに順応した。5月の交流戦前から主に二塁を守るようになった。紅林と新旧の二遊間コンビを組んだ。三塁へは外野から呼び戻された宗佑麿がつき、内野陣はほぼ固まった。

安達の打順は特筆ものだ。6番に座ることが多いが、なんと4番を除く8つの打順で先発起用された。吉田正尚、杉本裕太郎の後ろを打つ5番に名を連ねてクリーンアップを形成したこともあった。同一シーズン中にこれだけの打順を経験するのは珍しい。

休養があって規定打席に足りないが、6月上旬まで打率3割をキープ。その後も2割8、9分台を守っている。好調の杉本とともに打線に厚みを加え、攻撃がよくつながるようになった。T━岡田ら同年代の同僚を刺激している。

これほど貴重な存在があまり目立たないのは、地味な球歴と故障、病気のせいだ。群馬・榛名高、上武大、東芝を経てドラフト1位で2012年にオリックス入りした。好守、俊足が評判の選手だったが、入団1年目のキャンプで右手親指付け根を骨折した。同年6月にはウイルス性胃腸炎、5年目の16年にもキャンプ直前に大腸炎で入院し、フル稼働できなかった。それでも、堅実な遊撃守備はリーグ屈指と見られていた。

だが、記者投票による守備のベストナイン、ゴールデングラブ賞は一度も受賞していない。それでも、若手、同僚、さらには首脳陣まで輝かせるサポートぶりは、高く評価される。映画界のように「助演賞」があるなら、文句なしに受賞だろう。

(スポーツライター 浜田昭八)

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