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「契約・年俸 見直す契機に」 ソフトバンク球団社長

コロナに負けない球団経営(上)

新型コロナウイルスで開幕が大幅に遅れ、開催が危ぶまれた今季のプロ野球が幕を閉じた。シーズンを完走できたのは何よりだが、大幅な客数減は今後の球団経営に影を落とす。未曽有の事態を各球団はどう捉え、どう立ち向かうのか。日本シリーズ4連覇を果たしたソフトバンクの後藤芳光球団社長兼オーナー代行は「契約や年俸のあり方など現状を見直すきっかけにしたい」と語る。

福岡ソフトバンクホークスの後藤芳光・球団社長は「新型コロナによるロスは3~5年かけて取り戻したい」と語る

--昨年の主催試合で過去最高の265万人だった観客動員が今年は53万人。2020年2月期で売上高324億円、営業利益35億円と好調だった業績への影響は。

「本拠地の使用形態はチームによって違うが、うちは完全所有。飲食、グッズ販売、看板広告などがすべて収入となり、コンサートなど貸館事業もある。野球での動員率、日数ベースの稼働率とも9割を超え、総収入の約半分をスタジアム周辺で稼いでいた。興行ビジネスが否定されたのだからダメージは大きい」

「具体的な数字は発表を待ってほしいが、数十億円の赤字にはなる。それでも親会社からの特別な支援は受けず、自前の資金調達などでやりくりした。プロ野球は人々の生活を豊かにする社会インフラビジネス。恒常的にサービスを提供するのが最大の使命と考えている。1年ごとの収支のような細かいことにはこだわらず、今年起きたことを今後に生かしたい」

--大減収の見通しでも今季の年俸カットには踏み込まなかった。

「現在の野球協約は感染症のような事態を想定しておらず、1試合も開催できなくても報酬は変わらないという契約になっている。約束は守らないといけない。しかしコロナ禍で契約上の不備、バグが明らかになった以上、その改善は検討課題になる。オーナー会議などでも議論が出始めている」

--チーム単位ではどのようなリスク管理があり得るか。

「年俸は固定報酬の部分と成績によって増減するインセンティブの部分に分けられるが、この比率の見直しが考えられる。例えば固定部分を減らして球団のリスクを減らす代わりに、活躍した時には今まで以上にアップする。球団と選手がウインウインになるあり方を模索したい」

--契約更改が本格化する。厳しい経営状況を踏まえ、査定方法や提示額は変わるのか。

「今年はリーグ優勝と日本一を達成した。貢献をしっかり評価し、優れたパフォーマンスにはこれまで通りの報酬を支払う。今季は周東や栗原ら若手の台頭も目立った。年俸が上がる選手が多いのはうれしいことだ。うちはフリーエージェントになる前の選手にも市場価値に見合った対価を払っている。基本的な考え方は変わらない」

「単価の高いVIP席の販売やスポンサーの獲得において、我々のセールス力は12球団トップと自負している。365日にぎわうボールパークづくりを目指し、今年はドームの隣に複合エンターテインメント施設も開業した。新型コロナの影響は来年も残るだろうが、3~5年かけてロスを取り戻したい」(聞き手は吉野浩一郎)

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