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米パラリンピアン、難民選手団長としての思い

マセソン美季

東京パラリンピックで結成される難民選手団の団長に就任したイレアナ・ロドリゲスさん=共同

東京パラリンピックで難民選手団の団長を務めるイレアナ・ロドリゲスさんに、パラリンピックへの思いを聞いた。

2012年ロンドン・パラの競泳に米国代表として出場し、女子100㍍平泳ぎ(運動機能障害SB5)で決勝に進出した元アスリートだ。大会で印象に残っているのは、決勝を泳ぎ終わったときに見た、観客席での家族の笑顔だという。辛い経験を共にし様々な困難と向き合い、支え合ってきた家族が大舞台に集まって大きな声援を送ってくれたことが、かけがえのない思い出だ。

彼女はキューバで生まれ育った。バレリーナを目指し、有名なバレエ団で9歳からトレーニングを重ねていたが、13歳で脊髄動脈奇形を発症し、両脚の自由を失った。その後、政治難民として家族と米国に亡命したのが15歳のとき。新しい文化に身を置き、自分の居場所を模索する中で、スポーツが目標や夢、そして自信を与えてくれたという。「難民選手団の団長に指名され、これまでとは異なる形でパラリンピックムーブメントに貢献できることが大変光栄」と語った。

難民選手団として東京大会を目指しているアスリートは、米国や欧州などそれぞれの環境でトレーニングを積んでおり、定期的に近況を確認し合っているそうだ。どの選手も会話の中で「希望」、そして自分たちに与えられた「使命」という言葉を繰り返すという。自分たちがパラリンピックに出場することができれば、辛い状況で耐えている人たちに、違う生き方や機会があることを発信できる。

ロドリゲスさんはロンドン大会で選手生活に終止符を打った。現在は建築家として活躍しながら、国際パラリンピック委員会(IPC)のアクセシビリティ・スペシャリストとして競技会場のバリアフリー化の相談にものっている。東京大会、北京大会の準備を進める中で、想定外の事態が発生し、無理難題に直面することも少なくない。しかし、「自分が信じることを実現するための努力は惜しまないし、逆境で力を発揮するのがパラリンピアンだよね」とチャーミングな笑みを浮かべた。

マセソン美季
1973年生まれ。大学1年時に交通事故で車いす生活に。98年長野パラリンピックのアイススレッジ・スピードレースで金メダル3個、銀メダル1個を獲得。カナダのアイススレッジホッケー選手と結婚し、カナダ在住。2016年から日本財団パラリンピックサポートセンター勤務。国際パラリンピック委員会(IPC)教育委員も務める。
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